「I’m donut ? (アイムドーナツ ?)」、「AMAM DACOTAN(アマムダコタン)」のオーナーシェフが語る、表参道・原宿と行列の理由
表参道・原宿で平子シェフが実現したいこと「パンとドーナツとディスコ」
仲が良いというアーティスト/イラストレーター•Ed TSUWAKIさんのアートがかけられていた。「アイムドーナツ ?」にも、平子さんにも似合うポップな作品。やはり類は友を呼ぶ!?
「やっぱり表参道・原宿はファッションの街。だからこそ、若い人たちがおしゃれをして出かける文化があったらいいなと思います。気合いの入った服装でも笑われないような場所がもっとあっても良い気がします。僕の過ごした時代よりも前に遡りますが、ディスコのように週末に繰り出しておしゃれを楽しむ文化が表参道・原宿には似合う。そこに集まる人たちのコミュニケーションの中に、僕たちの作るドーナツやパンもあったら嬉しいですね」
平子シェフが20代を過ごした2000年代の表参道・原宿よりも、今は良くも悪くもファッションが全体的にカジュアルになっていることは否めない。ファッション好きな平子シェフらしいアイデアと言える。もしかしたら、今後平子シェフがそのようなコミュニティの受け皿を手掛ける可能性も?そんな期待を込めて、最後に表参道・原宿で将来的に実現したいことを尋ねた。
クリエイティブ領域に人脈が広い、というのも平子シェフの人柄と感性ならではかもしれない。よく行くお店は「CIBONE/HAY」でインテリアを物色しに覗くのだとか。
「僕はまだイチ事業主にすぎないけど、これからもっと影響力や発言力を持つことができたら、街の中心となるところで、文化を作っていくような一人になりたいとは思っています。もしそうなれたら、さっき言ったようにおしゃれをして遊ぶ場所作りに関わってみたいですね。今はちょっといっぱいいっぱいですけど(笑)」
柔らかな語り口で、淡々とその想いを語ってくれた平子シェフ。表参道・原宿らしいユニークなアイデアを生むクリエイターであるとともに、ファッションと街に対して熱い情熱を抱いている人だった。その旺盛な好奇心と探究心でこれから、どんな手法で私たちを楽しませてくれるのか。平子良太シェフが魔法の杖を振る、その動向からは引き続き目が離せない。
Photo:Takashi Minekura
Interview・Text:Tomohisa Mochizuki