【私の原宿】バイトと野球とキョンキョンと。Ed TSUWAKIさんの原宿メモリー
Ed TSUWAKI
アーティスト/イラストレーター。1966年広島市生まれ。1988年より東京を拠点に活動を始める。1990年代にデジタルで描く女性のイラストレーションのスタイルを確立し現在に至るまで国内外のモード誌、広告、ジャケット、ブランドとのコラボレーションなど数多く手掛ける。クライアントワークと並行して個展、グループ展への参加も多数。現在、南青山のFeb gallery Tokyoで4月23日(日)まで藤井フミヤとの二人展『FFEd』を開催中。
HP:eeeeed.com
YouTube 小泉今日子 - 丘を越えて (Official Video)
キョンキョンと、『丘を越えて』
1988年から90年くらいの間はほぼ毎日原宿にいました。
ラフォーレ原宿にあった渡辺俊美くん(TOKYO No.1 SOUL SET)の店でバイトしていたからです。
彼は僕と同い年なんですが、服や雑貨を売る店を先代のオーナーから譲られた若き経営者でした。
昔から商才があるんです。
僕が絵で生きていけるようになる前の時期、そこでたくさんのひとと出会いました。
原宿界隈のインディペンデントなショップのオーナー達が中心となって結成した草野球チームにも入ってました。
神宮の聖徳絵画館前に軟式野球のグラウンドがあって、週に一度の早朝ゲーム。
僕はピッチャーかサード。肩が強かったんです。
対戦相手は、A STORE ROBOT、DEPT、BEAMS など、やはり原宿の服屋さんのチームでした。
僕はだんだん本業が忙しくなってきてて、徹夜明けで完投して、もうその日1日ヘロヘロ... みたいな。若かったんです。
小泉今日子さんと知り合ったのもその頃。
ツアーパンフレットの挿絵や12インチのジャケットのデザインなどは、僕のキャリア初期一番の大役でした。
MV『丘を越えて』(90年 高城剛監督作)の撮影には、キョンキョンがしたがえる楽隊のメンバーとして出演していてサックスを吹いています。
フリだけです(笑)。
表参道、竹下通り、その裏の細い路地なんかでのゲリラ撮影は楽しかった。
原宿での一番の思い出と言っていいでしょう。
Text:Ed TSUWAKI