“1日券で出入り自由” まるで名画座の鑑賞体験
南青山4丁目の「Feb gallery Tokyo」にて、シネマインスタレーション展「film. ドメスティック/インティメイト」が開催される。2024年5月3日(金)〜5月19日(日)まで。総勢14名の作家を迎えての映像展示となる。
タイトルにある「ドメスティック(domestic)」は家庭的であるさま、「インティメイト(intimate)」は親密な、という意味を持つ。それに沿うように、本展では「関係性」を軸とした映像展示が繰り広げられる。この世に生まれ最初に属する「家族」、その後自らの手で獲得していく恋人や友人、そういった「関係性」そのものに焦点をおき、多様な在り方を示すとともに、隣にいる誰かとの関係を考えるきっかけ作りとなる展示だ。
本展ではリビング、ダイニング、和室などをイメージし、個人の記憶の一部を想起させるような異なる設定の鑑賞空間が広がる。全ての空間で同時に同じ作品が上映され、鑑賞者はその空間に居座ったりエリアを移動したりすることができる。短編または中編の映像作品が15本、1日2回弱のループで上映、「出入り自由入れ替えなし」の名画座のように、開かれていながら同時にパーソナルスペースにもなる公共空間が生み出される。
「居住空間」を模したエリアを行き来することで、鑑賞者に物理的・精神的な安定と変化をもたらすと同時に、作品、作者、情報、別の鑑賞者との自由な距離を置くことを可能にしているインスタレーション。鑑賞者自らが「ドメスティック / インティメイトな関係性」について再考することを促してくれる空間となっている。
今回作品を上映する14名は、主に日本や台湾を拠点とする作家が自由に出入りする流動的な映像作品上映団体「グラウンド・レベル・シネマ」にて活動。本展では、「人が映画を通してまなざしてきた対象が常に”人と人との間にある関係性”」であることに注目し、複数の鑑賞スペースに多様な「まなざし」を持つ作品群を配置する。
日々たくさんの人が行き交うオモハラエリア。ついさっきまで他人だったのが、たった1回言葉を交わすだけで何らかの「関係性」を持って繋がる。そんなフラットな出会いが不思議と生まれやすいと感じる場所だ。本展の作品が映し出す”まなざし”から、そういった「関係性」の在り方やそれが育まれる過程を捉えてみてほしい。
■概要
「film. ドメスティック/インティメイト」
開催期間:2024年5月3日(金)〜5月19日(日)
開催場所:Feb gallery Tokyo
住所:東京都港区南⻘山 4-8-25
営業時間:13:00〜20:00 *最終日のみ11:00〜16:00
定休日:月曜・火曜 *5/6(月)は営業
■入場料
1日券 1500円(学生 1000円)
2日券 2500円(学生 1500円)
>>EDITOR’S VOICE
会場から徒歩9分、青山通り沿いに「ラーメン ロックマウンテン」がオープン!広尾の超予約困難店「グルマンディーズ」長谷川北斗シェフ監修の、濃厚な海老ラーメン&つけ麺は絶品です。小道を進んだ先にある穴場のお店は今後行列必至、ゆったりと味わうなら今がチャンスかも。
Text:Rumi Hasegawa
※敬称略
INFORMATION
南青山・Feb gallery Tokyoにて「film. ドメスティック/インティメイト」開催 “関係性”がキーワード
- 住所
- 東京都港区南⻘山 4-8-25
- 営業時間
- 13:00〜20:00 *最終日のみ11:00〜16:00
- 定休日
- 月曜・火曜 *5/6(月)は営業
- 開催期間
- 2024年5月3日(金)〜5月19日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター