「展覧会をつくる」とは何か
外苑前のワタリウム美術館にて、「梅津庸一|エキシビション メーカー」が開催。2024年5月12日(日)〜8月4日(日)まで。
本展では、ワタリウム美術館の前身「ギャルリー・ワタリ」時代の「知られざるコレクション」を軸に、43組の作家による作品を紹介。現代アーティスト・梅津庸一(うめつよういち)が構成を担当する。ワタリウム美術館設立以前に和多利志津子(前館長)の交流によって集められた作品群(これらのほとんどはワタリウム美術館では未公開)をメインに、現在活躍中の作家たちを加えるという展示構成がとられ、さらに展示方法にも工夫を凝らしているのが見どころだ。
タイトルの「エキシビション メーカー」は、1990年、ワタリウム美術館初の美術展をキュレートしたハラルド・ゼーマンが「展覧会を作る人」として使っていた言葉だという(当時はキュレーターという言葉は世界でも使われていなかった)。
本展の構成を手掛ける梅津は、こうコメントしている。
「(一部省略)本展ではアーティストキュレーターとして振る舞うのではなく『エキシビションメーカー』の精神に立ち返りたいと思う。いま一度、美術のいち観客でもある自分が見たいと思える展覧会と出会い直したい。作品同士が、そしてなによりも『あなた』とこの展覧会が良い出会いとなれば嬉しい」
1990年の開館以前から現在まで、公開されることのなかった作品を含め、貴重な作品群と出会える本展。制度化される以前のアートの気配が漂うワタリウム美術館で、“「作品をつくる」あるいは「展覧会をつくる」とは何か”、原点に立ち返り、アートと向き合ってみてほしい。
■画像クレジット
1.梅津庸一 夢の転写 2024
2.梅津庸一 クリスタルパレス 2023 撮影:今村裕司
3.ホルスト・ヤンセン 自画像ーフロッグランドへ 版画集『フロッグランド』より 1972年
4.パウル・ヴンダーリッヒ 足のある魚 1973年
5.アリギエロ・ボエッティ ヒコーキ 1981年
6.高松ヨク 月のクルーズ 2015年
7.息継ぎ 彼方に触れることができないことをいちばんに知りたくて 2023年
8.土屋信子 宇宙11次元計画 2011年
※作品は参考写真です。実際の展示とは異なる場合がございます。
■概要
梅津庸一|エキシビション メーカー
開催期間:2024年5月12日(日)〜8月4日(日)
場所:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
時間:11:00〜19:00
定休日:月曜(7/15は開館)
入館料:大人 1,500円 / 学生(25歳以下)1,300円 ※会期中何度でも入場できるパスポート制チケット
>>EDITOR’S VOICE
展示を観た帰りに手土産・お土産を買うなら、ワタリウム美術館から歩いて約3分の場所にある「パンとエスプレッソと」がおすすめです。見た目も華やかなスイーツパンも種類豊富なので、喜ばれること間違いなし!
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
外苑前・ワタリウム美術館で「梅津庸一|エキシビション メーカー」が開催 43組の作家による作品を紹介
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 月曜(7/15は開館)
- 開催期間
- 2024年5月12日(日)〜8月4日(日)
- ライター
- 辻 みを
- OMOHARAREAL
- FACEBOOK : 辻 みを
辻みをです。