「agnès b. SHIBUYA」デザイナー・アニエスベー氏の感性が詰まったお店【編集後記】
厳選された飲食店を掲載する「EAT&DRINK」でピックアップした「agnès b. SHIBUYA」。でも、このお店はカフェだけじゃなく1F〜2Fのショップフロアも魅力的! 取材を担当したエディターが、1記事では紹介しきれなかったオススメポイントをご紹介!!
実は、オープン前の出来上がっていく様子を毎日通勤中に眺めていた「アニエスベー 渋谷店」。真っ白な外観が完成し遂にオープンするのだなと思っていたところに、突然側面に大きなアートが現れてびっくり。
取材時一番に聞いたところ、グラフィティアーティスト・KRINK氏の作品とのこと。そしてこの側面は自由なキャンバスとして様々なアーティストに描いてもらう予定だという。この大胆なアートの次にはどんな作品が描かれるのか、通勤中の楽しみにしようと心の中でメモした。
そして店舗横にある自動販売機をよく見てみると…今回の作品を描いたKRINKのシールが! 本人が貼ったのかは定かではないが、このアートを描いた後にサイン代わりに貼っていたらと思うと、そのさりげなさに粋なセンスを感じる。
入り口すぐには存在感のある映画の大型ポスターが。アニエスベー氏は、国籍やジャンルを問わずアート、音楽、映画が大好きで、店内の至る所に絵画、本人撮影の写真、映画のポスターなどが飾られている。いわばこのお店はアニエスベー氏の好きなものが詰まった宝箱のような場所なのだろう。アートとファッション好きにはたまらない空間だ。
レジ裏にはアニエスベー氏本人の所有物であるグラフィティアーティスト・フューチュラの大型作品が。思いがけず贅沢な作品が見られるのもこの店ならでは。他には無いかと店内を注意深く眺めてみると…。
商品の後ろにさりげなく貼られている写真が。「この写真もアーティスト作品ですか?」と聞いてみると、アニエスベー氏本人が自宅の庭を撮影したものとのこと。まるで、花のようなデザインのカバンが、庭に咲いているようで、アートとファッションを上手に融合させた素敵なディスプレイの仕方だと感じた。
カバンも、自宅の庭に咲く花の写真からインスパイアされ作られたそう。このような本人撮影写真は店内の至る所に貼られているから、探しながら買い物を楽しむのも面白い。
試着室には映画のシーンが。アパレル店でありながら店内には遊び心溢れるアートが散りばめられている。
アートだけでなくもちろんファッションアイテムも。1Fにはアニエスべーらしいポップな色使いの定番商品が並んでいる。アニエスベー渋谷店は、「ジェンダーレス」をコンセプトにしているため、メンズ、レディスでは分けずにテーマごとにディスプレイされている。性別にとらわれずに個性に合ったものを買いやすいディスプレイだから、ファッションの幅も広がりそうだ。
奥には時計やカバン、財布などのファッション小物が並ぶ。
さらに進むと明治通り側の入口が。キャットストリートからも明治通りからも入れる便利な作りになっている。
2Fにはメンズ、レディスのコレクションが。こちらももちろんメンズ、レディスでは分けずにディスプレイ。異性のパートナーと買い物に来ても、ずっと一緒に行動できるのも嬉しいポイントだろう。
店内にそれとなく設置されている「ポワンディロニー」というフリーペーパーを発見。読んでみると、アニエスベー氏とクリスチャン・ボルタンスキーと美術学芸員・評論家のハンス=ウルリッヒ・オブリストとの間で交わされた会話を元に誕生したものとのこと。
年に数回発行されていて、各号でゲストアーティストが紙面を自由に使って特別なアート作品を描いているという。そんな作品を持ち帰れるという贅沢なフリーペーパーだ。今後コレクションしていこうと私もちゃっかり一枚いただいた。
さらにネオンの光を追って3Fへ。
白を基調とした店内に、隠れたテーマカラーというイエローのソファが配置された「agnès b. SHIBUYA」。実はこのカフェは、パリにあるアニエスベーカフェを再現しているそう。本場パリのカフェ体験ができるように、ワイン、シャンパン、ビールもフランスで人気のものを用意。アルコール好きの私としては、あまり見たことがないフランス産のビールは是非試してみたいと思ったが、仕事中のためおあずけだ。
天窓もあり、ここにも隠れテーマカラーのイエローがアクセントに使用されている。
フランスのカフェでは当たり前のようにあるテラスも設置。ここでフランス産ビールを片手に渋谷の夕日を眺めるなんて最高だろう…。
アルコールの話ばかりしてしまったが、ドリンクの一番人気はフランス人が日常的に飲むというフレッシュミントティー。砂糖を入れて飲むのがフランス流だ。いただいてみると、ちょうど良い甘さで「今まで何故入れなかったのだろう」と思うほど好みの味だった。
人気メニューは、ジャンボンブラン(ゆでハム)、グリューエールチーズ、フランス産イズニーバターが使用されたバゲットサンド。パリッとしたバゲット、バターの香り、ハムの食感が合わさって絶品。ミントティーを飲みながら、バゲットサンドをいただく…もう気分はフランスにいるよう。フランス人のお客さんも絶賛しているというから、間違いなく本場パリの味である。
白タイルのキッチンにはフランス産のワインなどが並び、イベント時にはバーカウンターに変身する。
こちらは、アニエスベー氏がサポートしているアート、音楽、映画などのユースカルチャーを発信する場でもある3Fのポップアップスペース。この日は、渡辺一志氏の映画『19』製作20周年&Blu-ray発売記念コラボレーションイベントが開催中。
貴重な映画の絵コンテも。「これ漫画じゃなくて絵コンテなの?」というほど漫画として販売しても成立するほど詳細に描かれている。
今回のために製作された海外仕様の大型ポスター、コラボレーションTシャツなどを展開している。
DJブースも常設され、今後はウィークリーイベントを開催していく予定とのこと。是非会社帰りに参加させていただきたい。
ファッションブランドでありながら、アート作品で溢れ、ユースカルチャーを発信しているこのお店。1F〜2Fでショッピングをした後には、フランス産のビールやシャンパンを飲みながら音楽やアートを楽しみに訪れようと思う。
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Text:Ayaka Minoda
Photo:Yuki Maeda