【カフェラテを巡る旅vol.4】生産者の想いがブレンドされた、ナッツ香るカフェラテ
カフェラテは、ブラックが苦手な人のためだけに存在するわけではない。こだわりを持つコーヒー店には、むしろブラック愛好者にこそ飲んでみてほしいカフェラテが存在する。良きカフェラテに出会えば、きっと普段とは異なる角度からコーヒーを味わう楽しみに気付いてもらえるだろう。ということで、コーヒー激戦区・オモハラで、日本屈指のカフェラテを探し出してご紹介しようという連載がこの「カフェラテを巡る旅」である。
“不完全なこの世界。だから、いいことをして世界と社会をよくしていこう。”という思いのもと、コーヒーやナッツの販売を通じて農家支援をしている「imperfect」。人通りの多い表参道沿いの同潤館から、世界にいいことを発信しているここでは、農家さんの思いが詰まったラテが味わえる。
vol.4:imperfect
imperfectでは、世界中の課題を抱えた農園から豆を仕入れていて、様々な形で農家支援を行っている。
インドネシアでは、“バタック族”の農家から仕入れることで少数民族支援を。ルワンダでは、内戦でコーヒー農園を手放さなければならなくなり、設備もなくなった農家さんにコーヒーの種を取り出す処理設備などを提供している。ブラジルでは、女性が男性よりもはるかに安い賃金で長く働かされているため、女性農家セミナーを開き、女性たちの活躍のきっかけを作っている。
大変な背景があり大切に育てられたimperfectの豆。その豆の焙煎は敢えて浅煎りにして、それぞれの思いがある豆の特徴を活かせるよう心掛けているそう。
カウンターは、お客さんとのコミュニケーションを大事にするため、通常より低く設計したのだとか。通常はカウンターの上に置かれるコーヒーマシンも、ここでは下に埋め込まれていて、お客さんとの距離を縮める役割を果たしている。バリスタさんたちは、コーヒーの知識はもちろん、農家さんの話までしっかり教えてくれるから、味にもより一層深みがでる。
ガラスケース内に埋め込まれた音響機器のようなコーヒーマシンは、日本ではあまり見ることができないアメリカ製の「modbar」というレアなもの。抽出の圧力、給水量、蒸らす時間などを細かく設定できる優秀なマシンだ。湿度などちょっとの違いで味が変わるため、毎朝調整しているそう。
カフェラテは、ブラジルをベースに、インドネシア、ルワンダの豆をブレンド。それぞれの農家さんの思いや豆の美味しさを引き立たせるようなブレンド配分になっている。
ファンが尽きないカフェラテメニューの代表はこの「ナッツバターラテ」。ナッツバターのペーストが付いてきて、最初から入れて飲んでもよし、半分くらい飲んでから入れて甘さを濃くしてもよし、入れずに別で食べてもよし。と好みや気分に合わせて楽しめるラテだ。
カシューナッツをベースにしているため、ほのかにナッツの香りがする。ペーストは、コーヒーに溶けやすいようにナッツバターにシロップを入れて作っている。このペーストだが、一度そのまま食べてみて欲しい。ナッツの甘さとトロンとした食感がやみつきになり、コーヒーに入れるのを忘れてしまいそうになるほど。リピーターの多くはそのまま食べているそう。
次におすすめしたいのは「アーモンドミルクラテ」。通常のラテは牛乳を使用しているが、アーモンドミルクは植物性なので甘さ控えめでヘルシー。アーモンドがふわっと香り、飲み口もさらっとしていて飲みやすい一品。
内装をよく見ると壁にコーヒー豆が埋め込められていたり、スタッフさんは農をイメージした麦わら帽子を被っていたり、あらゆる面から農家の人を想像させる。
使用された豆それぞれに課題を抱えた農家さんがいて、それらをブレンドした特別なカフェラテ。紹介したカフェラテは、ナッツがベースになっているから、とても香ばしくその重みを感じさせない。世界中で頑張っている農家さんへ思いを馳せながら、じっくりと味わってみて欲しい。
Text:ayaka minoda