「CA4LA」帽子愛あふれる歴史的なお店【編集後記】
厳選されたショップを掲載する「SHOP GUIDE」でピックアップした「CA4LA」。実は、紹介した話以外にも開店秘話や自社工場を持つに至った裏話、スタッフさんの帽子愛など魅力的なストーリーが! 取材を担当したエディターが、1記事では紹介しきれなかったオススメポイントを店員さんの声を含めてご紹介!!
今回は、PRの伊藤さん、クリエイティブディレクターの秋元さんにお話を聞いた。 お二人ともそれぞれ素敵な帽子を被り、「CA4LA」の歴史などについて語ってくれた。
当時のアメ横の風景 出典:HARMLESS UNTRUTHS
現在、表参道沿いに大きなお店を構えている「CA4LA」だが、当初は上野で2坪の店(!)で帽子を販売していたというから驚いた。そんな小さなお店だったが、時代の雰囲気を読み取り成長していき、その後は「ウィーブトシ」として渋谷パルコなど様々な施設にショップ展開する。
明治通り沿いにオープンした頃の「CA4LA」
1997年に日本初の帽子専門セレクトショップ「CA4LA」として明治通りにオープン。今とは全く違うポップな雰囲気だったようだ。
表参道にオープンした頃の「CA4LA」
2009年に表参道に店を構え、大人なシックな印象に。さらに2013年に移転リニューアルし、今の店を構えるに至った。
そんな長い歴史を持つ店名の由来は「頭(カシラ)」という意味の他に、当時カリフォルニア(CA)のロサンゼルス(LA)へ帽子を買い付けに行っていたことから名付けられた。CA4LAの歴史を聞いてから店名の理由を知ると、今に至るまでの当時の苦労なども想像できて感慨深いものがある。
店内で一際存在感を放っているのは大きな鹿の剥製。どうしてここに鹿を飾ろうと思ったのかを聞いてみると、「設置するのはとても大変でした(笑)。それでも“帽子のミュージアム”というコンセプトに合わせて、内装は手を抜きませんでした」とクリエイティブディレクターの秋元さんは語ってくれた。本当に博物館にきたかのようなどっしりとした雰囲気は、そんな内装へのこだわりによって実現しているのだろう。
2Fには表参道店だけというブライダル専用のハットやレースなどが置かれているコーナーも。ドレスやスーツに合わせてフルオーダーも可能だ。中には自分の当日の衣装を持参して「これに合うものを作ってください」というお客さんもいるのだとか。自分だけの唯一無二のハットでウェディングを迎えれば、素敵な思い出を残すことができて一生忘れないだろう。(私もCA4LAでお願いすればよかったと取材中にこっそり後悔した)
メイドインジャパンのハットにこだわり続けている「CA4LA」。併設されているアトリエでは、日本の職人が作業している風景を見ることができる。アトリエ併設店は国内に二店舗のみで貴重!ということで、職人さんはやりづらかったかもしれないが、作業風景をじっくりと眺めさせてもらった。(自身で作ったのであろう)帽子を被り、手際よく帽子を作っていく姿は帽子への愛が感じられる。
アトリエだけではなく、兵庫県西宮市に自社工場も持っている。何故西宮にしたのかを聞いてみると、99年も続いた大阪の帽子工場が潰れてしまうことを知り、そこの機械を買い取り旧工場で働いていた熟練の職人も雇うことにしたからだそう。今ではそこに若い職人やデザイナーが加わり、長年日本の技術を守り続けているのだ。老舗の工場、職人を結果的に守った「CA4LA」の人情味あふれる社風にほっこりした気持ちに。
そんな温かい雰囲気の「CA4LA」のお客さんは海外の方が多く、日本に来るたびにお土産を持ってきてくれるくらい仲の良い人もいるのだとか。スタッフさんは長く働いている人が多いため、常連さんも安心して通えるのだろう。フレンドリーなスタッフさんを通して日本の技術を世界に着実に発信していると感じられた。
帽子の魅力についてクリエイティブディレクターの秋本さんに聞いてみると、「スタッフも最初は帽子が大好きという訳でもない人もいます。でも被っているうちにどんどん帽子の魅力に取り憑かれていくんです。自分もその中の一人です」と語る。やはりスタッフさん全員、それぞれ似合った帽子を着用し生き生きと接客している。
今後は今まで以上に帽子文化を日本に根付かせる取り組みをしていきたいという「CA4LA」。PRの伊藤さん、クリエイティブディレクターの秋元さん、スタッフさん、職人さん「CA4LA」にいる全ての人たちが、自分に似合った帽子を被っている姿は印象的だった。みなさん、帽子の魅力に取り憑かれているからこそ、その魅力を自分自身で最大限に発信できていると感じた。
2坪から始まったという長い歴史、人情味あふれる社風、帽子愛が感じられる温かい雰囲気。そのどれもに魅入られ、より一層このお店が好きになった。
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Text:Ayaka Minoda
Photo:Yuki Maeda