【Direct News】街を歩いて発見したトピックスを紹介
日々、オモハラの些細な変化を見逃さないよう街を眺めている中で、編集部員による発見・気づき・聞いた噂などのトピックスをダイレクトにお届け!
1978年創業、45年の歴史に幕を閉じる原宿・ONDEN(オンデン)は、神宮前4丁目、表参道からプロペラ通りを入って右に曲がるとツタの張った外観がアイコニックなオンデンビルの1Fにある。
テレビや雑誌、数々のメディアに取り上げられ、周辺で働く人からモデル、著名人まで年代・性別問わず広く愛された名店である。OMOHARAREALでも編集部員のランチログ「オモハランチ」で紹介させていただいたし、友人たちや仕事関係の人と表参道・原宿のごはん談義をすればかなりの頻度で会話に登場する店だ。
「Fashionsnap.com」や「WWD JAPAN」などで閉店の報が出て1日。12月28日(木)までということで、駆け込みで混む前に善は急げ。オンデンのカレーを食べてきた。
店前にはたくさんの人。いつもお昼時は並ぶこともあるが、昨日のニュースの影響か心なしかいつもより混んでいる気がした。
扉の前には閉店のお知らせが。その知らせを店の前を通り過ぎる際に見て残念そうに「終わっちゃうんだ」と会話する人たちも短時間で数組いた。オンデンがどれだけ愛され、親しまれているかが伝わってくる。ほんとに残念だよね。
ボクシング転向以前は大晦日の顔だった神童・那須川天心選手もオンデンカレーを食べている。まさしく、強くなりたくば食らえ!ということだ。表参道・原宿で働くみんなもこのカレーを食べて日々闘っている。
忙しそうな店内。常連からご新規さん。若者から年配の方まで、多様な人が次々に入ってくる。それはまるで表参道・原宿の縮図。そんな人たちがときには相席してみたり、隣合わせに座り、“お母さん”のカレーを頬張る。そんな光景がこの場所で見られなくなるのも寂しいものだ。
食べごたえもあって、バリエーションも豊富。隣の席のカレーをのぞいて、あれもうまそうだな。次来たときに食べよう、そんな想像をしながらカレーを待つのも楽しかった。
ジャズピアニストの巨匠、ハービー・ハンコックのポスターやPOPEYEなどの掲載誌が並ぶ棚。個人的にはオンデンでいちばん惹かれる場所。この近くに座れたのは嬉しい。店内にはピアノもあるので夜のスナック営業ではジャズが流れていたんだろうか。
薔薇の花がプリントされたコップもおしゃれ。
名物はコロッケカレー。だけど今日は最後になるかもしれないけどミックスカレー(900円)を食べた。コロッケに、野菜、からあげまで入っているミクスチャーなカレー。これこそ原宿だ。食べ応えも抜群だ。濃厚なカレーソースにばっちりハマってやっぱりおいしい。
表参道・原宿でオンデンカレーが食べられるのも12月28日(木)まで。店内にはお母さんにお土産を持ってくる常連客や最後だからと店を訪れた人もいた。
偶然、ビームス 原宿 アネックス/「FUTURE ARCHIVE」のディレクターにも遭遇。挨拶を互いに交わし、「やっぱそうっすよね」なんて会話に微笑ましくも、一抹の寂しさがよぎる。
コロナ禍では、ビームスの飲食店応援プロジェクトにONDENも参加。OMOHARAREALにもコラムを寄せてくださっている白根ゆたんぽさんのイラストのTシャツが制作された。これリバイバルしてほしい。買っておけばよかったな。
お母さん、そしてONDENのスタッフの皆さん。僕が知るのは長い歴史のほんの一瞬にしか過ぎないのだけれど、お疲れ様でした。
「ONDEN」のカレーが食べられるのも、あとわずか。チャンスがあれば、閉店してしまう前に足を運んでみてほしい。
■概要
ONDEN(オンデン)
営業時間:ランチ 11時30分~16時00分
ディナー 18時00分~0時00分(水曜日はランチ営業のみ)
※現在テイクアウトはなし、イートインのみ
住所:東京都渋谷区神宮前4-29-9
電話番号:03-3401-8417
Text&Photo:Tomohisa Mochizuki