【レポート】明治神宮鎮座百年祭を10代写真家・葵が撮影。名和晃平の彫刻作品も
2020年11月1日(日)、明治神宮は鎮座百年を迎えた。深い森に囲まれ、街の人々の心のよりどころであり続けるこの社。記念すべき節目の今年は、鎮座日にあわせて祭典が執り行われたほか、野外彫刻展や夜間特別参拝、明治神宮の歴史を紹介する参道の特別展示など、年間を通して様々な催しが行われている。
OMOHARAREALでは明治神宮の歴史を次世代へと伝えるべく、2001年生まれの写真家・葵さんに記録を依頼。撮影後、彼女はこんなコメントを寄せてくれた。
「百年前に造営に関わった方々や当時の日本に思いを馳せながらシャッターを切りました。千年後も今と変わらぬ生命力溢れる杜であってほしいです」
10代の新鋭のフィルターを通して写し出される神聖な杜の姿を、とくとご覧あれ。
「明治神宮鎮座百年祭」の墨書を奉納したのは書家の紫舟(ししゅう)さん。伊勢神宮や春日大社への墨書奉納、NHK大河ドラマ「龍馬伝」、美術番組「美の壺」の題字を手掛けるなど幅広く活躍している
大正9年(1920年)に明治天皇と皇后・昭憲皇太后を祀るために創建された明治神宮。鳥居には皇室を表す菊花紋章が
境内には約70万平方メートルもの広大な杜が広がり、都会の真ん中にありながら豊かな自然を感じられる。この鎮守の杜は明治神宮創建にあたり全国から献木された約10万本もの木々を植栽し造成された人工林だ
彫刻家・名和晃平氏の作品〈White Deer(Meiji Jingu)〉を発見。明治神宮 内苑では2020年3月20日(金)~12月13日(日)に野外彫刻展を開催。名和氏のほか、船井美佐氏、松山智一氏、三沢厚彦氏が作品を出展している
境内各所には参拝者が奉納した「夢鈴(ゆめりん)」が掲げられている。2020年10月30日(金)~11月1日(日)に実施された夜間特別参拝では優しい灯りで参道を彩った
参道には全国各地の酒造から奉納された酒樽が並んでいる
高さ12mの大鳥居。木造の明神鳥居(鳥居の形式の一つで、笠木と島木の両端がそり上がったもの)としては日本一を誇る
大鳥居の先には明治神宮の歴史を紹介する「永遠の杜のものがたり」が。展示期間は2020年1月1日(水)〜11月30日(月)
毎年秋に開催されている菊花展
提灯に明かりが灯され幽玄な雰囲気をまとった南神門
南神門にも、2020年11月3日(火・祝)まで名和晃平氏の作品〈Ho/Oh〉が展示されていた
実は今回初めて明治神宮を訪れたという葵さん。
「こんなにも自然と神聖な雰囲気を味わえる場所が身近にあることに驚きました。私と同じように、機会がなくて訪れたことのない若い世代の人たちもたくさんいると思うので、ぜひ足を運んでみてほしいです」
これまでの百年がそうだったように、明治神宮はこれからも街の人々の心のよりどころであり続けるだろう。
Photo:Aoi
Text:Natsuno Aizawa