重力を越え交流を生む、氷漬けのシューズにフォトサービス
表参道・原宿を歩いていると履いているのをよく見かける、モコモコとしたソール形状の分厚いシューズ。フットウェアブランドgrounds(グラウンズ)によるスニーカーだ。感度の高いセレクトショップに置かれ、期間限定のPop UPショップも好評。原宿のアイコンシューズとしてその存在感を高めているように思う。
そんなgroundsがこのたび旗艦店となる「grounds STORE 001」を2023年9月2日(土)にオープン。このストアもまた、DAIKEI MILLSによってブランドの世界観を具現化した素晴らしい空間なのだが、全貌については後日公開されるSHOP GUIDEにて詳しく紹介したい。
今回はオープニングレセプションが行われたのでその模様をレポートする。
「grounds STORE 001」は神宮前5丁目、キャットストリートの裏手。住居として使われていた一軒家を改装した。閑静な裏通りに浮かび上がるロゴとシューズが目印だ。
入り口と店内にはこの日だけの特別なインスタレーションが。なんとシューズを埋め込んだ巨大な板氷をいくつも設置されていた。
groundsのコンセプトは「LEAP GRAVITY」。氷の中に浮かぶシューズはまさに重力や時空を超越した、神聖さを帯びているようだった。
グレーチング(歩道でよく見かける排水溝の蓋)が床と天井に使われていて浮遊感を際立たせる。2F(ストックルーム)の頭上から人の気配を感じるのが不思議な感覚。
ショップスペースはシースルーな床と天井に挟まれた、次元の狭間に浮いているような不思議な感覚。床のグレーチングは溶けた氷の排水もできて一石二鳥。インスタレーションそれ自体がデザインと機能性を兼ねたプロダクトのコンセプトを表現していてさすがだ。
小さな原宿エリアの一軒家にモデルやインフルエンサー、メディア、アパレル、プレス、さまざまな人たちが集まる光景はいかにも原宿らしい。
振る舞われたドリンクに入れられている氷もgrounds。
スタッフの手によって精巧に作られたものだという。溶かしてしまうのがもったいないほど本物そっくりのディテールに驚いた。
その場でフォトグラファーが写真を撮ってくれて、2階にいるスタッフに即転送。レタッチ、色補正を施した写真がすぐ手元に届くサービスも。
レセプションに訪れる層を意識した演出。実際体験したが数分も立たずにスナップ写真が手元に届いた。
このようにそのままならただの家が、groundsによって交流を生む空間として変貌。ECのみで成立する時代に、わざわざ手をかけて出店する意義を感じた。
ここ数年、トレンドとしてソールの分厚いスニーカーが流行していた。しかしgroundsは一過性のものではなく徹頭徹尾、ブランドのコンセプトとシューズデザインの美学を追求した上で斬新なフットウェアを生み出し続けている。
お風呂場もこんな風に展示スペースに。もともとの住居空間を活かした店舗づくりが目を惹く。
そのこだわりこそがファッション感度の高い人たちに支持される理由なのだと、今回のレセプションの演出やストア空間を通じて再確認することができた。原宿を拠点に、groundsの世界は重力を越えて今後も広がっていくに違いない。
■grounds STORE 001
オープン日:2023年9月2日(土)
住所:東京都渋谷区神宮前5-18-14
営業時間:12:00〜19:00
定休日:水、木
Text & Photo:Tomohisa Mochizuki