ハラカド1F-4F、ショッピングからクリエイター向けコンテンツが入居するコアスペースをチェック
2024年4月17日(水)、神宮前交差点の新しい商業施設「東急プラザ原宿 ハラカド」がオープン。2021年9月に、まだ基礎工事中の「ハラカド」(そのときは当然名前すらなかった)に設置された工事用囲いについて記事を書かせてもらった。
それからおよそ2年半の歳月が流れ、あっという間に建物が完成。先日行われたメディア向け内覧会に編集部員とともに参加したので、内覧会の写真とオープン後の様子も踏まえながら、エリアごとに見どころを紹介していこう。これからハラカドを訪れる際の参考にしてみてほしい。
本稿では1F-4Fショッピングエリアやクリエイター向けのコンテンツが用意された「ハラカド」のコアスペースをレポートする。※記事末に他フロアのレポート記事リンクを記載
ハラカドのコアフロアを探索!“買う”だけじゃない仕組みと仕掛けがたくさん
食品、アパレル、雑貨を扱うさまざまなショップや、クリエーター向けコンテンツが豊富な1F〜4F部分。まずはハラカドを訪れる際必ず通るであろうエントランスに注目。
ここには「ALL GOOD FLOWERS」のKIOSKがあって、館内に入らずしてフラっと花を買うことも可能。これは待ち合わせで人に会うタイミングなんかは便利だと思った。
1F、2Fは、物販やサービス店舗を中心に展開。ASMR動画でも人気のポップな見た目のパリパリグミが人気を博す「ヒトツブカンロ」オープンから列ができる人気ぶり。お土産にも良さそうだ。個人的な肌感ではあるが、原宿らしさがあって、見た目も良くておしゃれという3拍子揃ったお土産を買うとなると、意外にも結構限られる。原宿限定パッケージもあったりするのでこれはありがたい。
2Fはアパレルがメイン。「Deus Ex Machina」のような人気ブランドから、独自の視点でのセレクトに個性が光る「DESPELADO(デスペラード)」などが並ぶ。
オープン後の「Deus Ex Machina」。アパレルからレコード、雑貨まで取り扱い、インバウンドのお土産需要もありそう。
MBL公認キャップブランドの「'47(フォーティセブン)」もラインナップ。
価格も求めやすく、原宿限定のモデルも展開していく。カラーやモデルのバリエーションも豊富なので、人とちょっと違うものを求める人にはおすすめ。
買い物を通じてアフリカの女性や障がい者を就労支援するファッションブランド「CLOUDY」もかなりの存在感。
エシカルな取り組みが支持されているだけでなく、優れたデザイン性が魅力。他ブランドとのコラボなどでも注目されているブランドだ。キーカラーの「クラウディ イエロー」の内装も一際目を惹いた。
2F-3Fにまたがるのは3000以上もの雑誌が集まる雑誌の図書館「COVER」だ。
思わず、1991年のジャンプを手に取ってしまったが、ファッション誌からビジネス誌、アート誌なんかがずらりと並ぶ様は圧巻だった。 誌面との連動企画なども行っていくという「COVER」はオープン後は雑誌「AERA」との連動企画「週刊誌『AERA』presents雑誌のつくりかた大解剖展」を開催中。
TENGAが運営する「TENGA LAND」には性別や国籍を問わず特に注目を集めていた。
アパレルからバラエティ豊富なフェムテック、セルフプレジャー、セルフケア、ラブグッズを豊富に取り揃え、ネタとして消費されない、ガチで多様な性に向き合った商品クオリティをベースにした世界観作りに感心しきり。
スマートなおしゃれさがあるところがポイントで、コンベアが横断する近未来SF風レイアウトにもワクワクするし、TENGAってガチなものづくり企業なんだよなーと再認識。「Condomania原宿 」のようにエリアのアイコン的ショップとなってくれることに期待したい。
3Fは、文化創造・発信拠点としての中心的役割を担う「クリエイターズプラットフォーム」。アートディレクター・グラフィックデザイナー・千原徹也氏のデザインオフィス「株式会社れもんらいふ」のオフィスが入居していたり、博報堂ケトルによるクリエイティブスタジオがあったり、会員制のカフェラウンジ、J-WAVEによる収録スタジオだったり、創造性に特化したフロアだ。
今後はクリエイティブスクールが開講し、特別講師を招いたカリキュラムも行われるそう。
れもんらいふの千原徹也氏によるトークイベントなども予定されており、とにかく行けばなんかやっているし誰かがいる。そんな雰囲気が満ちていた。
会員制のクリエイティブラウンジ「BABY THE COFFEE BREW CLUB」は、カフェ、シアタースペースを完備。オープン前から「NEUT MAGAZINE」がイベントを行うなど、DJイベントにも対応している。今後クリエイター同士の交流場所として活躍しそうだ。
実際に音声や音楽を収録できる「J-WAVE ARRTSIDE CAST」。音声だけでなく映像の収録も可能。プロ仕様の機材とスタッフによって良質なポッドキャストコンテンツがここから生まれていく。
ブースの外には映像も映せるそう。なのでJ-WAVEオフィシャルのポッドキャストもここで公開収録なんてことも全然あり。
OMOHARAREALのポッドキャストやりたいな。ラジオ・ポッドキャスト業界の皆様オファーお待ちしております。
4Fは、多様なカルチャーや新しいエンターテイメントを原宿らしく体感できる場所「ハラッパ」。第一弾は「自然・チルアウト」×「原宿で体験」をテーマにフロア全体をインスタレーションしている。
街中にベンチや休む場所が消えていっている昨今。比較的、オモハラの街はそういう場所も多い気がしているのだが、インバウンドとともに人出も増加。街に人があふれている中で、商業施設にこういう座って休める憩いの場所があっても困ることはない。
ハラカドのコンセプトである「多様な人々の感性を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」を体現する主要な機能が1F-4Fに散りばめられていた。
各フロア、店同士もボーダレスな作りでシンプルな構造。周りやすいが、どこまでフロア全域での回遊性があるか。多様な客層とそれぞれの求めるニーズが噛み合い、重なる接地点を増やしていけるかが今後ポイントになっていきそう。
3Fにあるコクヨ株式会社のインハウス・デザインコレクティヴ「YOHAK DESIGN STUDIO(ヨハク デザイン スタジオ)」による「COPY CORNER(コピー・コーナー)」。コピー機(リソグラフプリンター)を使って製版・印刷を体験でき、自分の作りたいものをクリエイターと協業して出力することができる。
知られたブランドのショップが集まっているというよりは、「ハラカド」という環境を利用して、企業にとっての新しい業態や商材にチャレンジする店舗が多数入居しているのが特徴だと感じた。
「ALL GOOD FLOWERS LAB」。エントランス部分のKIOSKと二段構えの出店となっている。こちらはフラワーベースや鉢植えなど大きなアイテムが買える。
コンパクトなアートブース、動画やスチールが撮れるスタジオなどもいくつかあったが、個人的には比較的規模の大きいギャラリースペースが欲しいと思った。
3F・角打ちと撮影スタジオが融合した「STUDIO SUPER CHEESE(スタジオスーパーチーズ)」。一見トリッキーな組み合わせだが、撮影後の打ち上げにもおすすめとのこと。お酒が好きな人同士ならコミュニケーションが円滑になるかも?
表参道ヒルズ、スパイラル、ラフォーレ原宿、GYRE、ミヤシタパーク然り、周辺地域の商業施設を見ても必ずそういった機能を有している。国内外で人気のある、知名度の高いアーティストの展覧会を誘致することができれば、買い物以外で訪れる層にリーチして、建物自体に大目的がひとつ出来得る。
小規模スペースは大事にしつつも、そういった機能的なコントラストがあることで、新進のクリエイターやアーティストの存在感も際立つのではないだろうか。
ARやVR技術を駆使した体験型インスタレーションも良いけれど、好みとしてはフィジカルのアート作品の展覧会を、原宿の真ん中でズドンと観れたら嬉しいなあ。
3F・ショート動画の制作機能とクリエイターネットワーク機能をもつ ソーシャル・コミュニティ・スタジオ「STEAM STUDIO」。博報堂ケトルが運営。インフルエンサーネットワークの構築やイベント実施、クリエイター同士のコラボの実施など、複合的なクリエイティブ活動の発信拠点を目指す。
ちなみに路面Gフロアには英国初の香水ブランド「JO MALONE」を始め、知る人ぞ知る会員制バー「CASBA」が手がける著名な国内外のデザイナーやアーティストとコラボしたアパレルを販売する「CORNER SHOP by CASBA」など、人が集まりそうなお店が入居。
「Dior」は開業以降、2024年秋冬シーズンにオープンを控えていたりと、グランドオープンしつつもそのポテンシャルには余白のある「ハラカド」。今後どのように存在感を発揮していくのか注目していきたい。
■概要
東急プラザ原宿「ハラカド」
オープン日:2024年4月17日(水)
場所:東急プラザ原宿「ハラカド」1F-4F
住所:東京都渋谷区神宮前6-31-21
営業時間:物販・サービス店舗 11:00~21:00
※一部店舗は異なる
定休日:不定休
>>ハラカド5F-7F、神宮前の台所「HARAJUKU KITCHEN & TERRACE」レポート
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL編集部