「人間は表現する生き物である」
表参道のGYRE GALLERYにて、アウトサイダーアートの展覧会「THE WORLD」A place where “No Concept” is allowed – 展を、8月27日(日)まで開催中。
展覧会を主催する一般社団法人Arts and Creative Mindは、精神的・身体的障がいを持つ人々のアート制作支援、制作環境の提供や、展示・販売機会を創出する活動を行っており、2022年春には北海道十勝に社会包摂型アートスペース「THE WORLD」をオープンしプロジェクトを立ち上げた。アートを軸として新たな文化を創り育てることを目的とし、自由に自らを表現するアートスタジオや、2023年からは農地を利用しワイン用葡萄栽培を行う試みスタートしている。
その一環として、継続的に行われている本展は北は北海道から南は九州まで、全国の福祉施設に主催者自らが足を運び、44名の作家との交流を経て出会った作品を厳選。アートとして適正な値付けをした上で、展示・販売する展覧会だ。GYRE GALLERYでは4回目の開催となる。
「No Concept=コンセプト無し」の展覧会タイトルに込められているのは、アイデアやコンセプトが重要視されている知的ゲームのような現代アートの世界と並行し、人間の「身体性」を根源とした、もう一つの表現の世界が存在するということ。「身体性」を重視し、アートによって自らを表現する44名のアーティストと、純粋な気持ちでありのままにアートを楽しむ鑑賞者の感性の対話に重きを置く。
全国各地で作家と交流し対話してきた主宰・代表理事の杉本志乃さんは言う。「人間は表現をする生き物だ」と。多様な人々が行き交う表参道・原宿の街で、多様性とは何か、自由なアートとは何か、考えるきっかけをくれる展覧会となるだろう。その純粋な表現、身体性からアートとアウトサイダーの違いとは、足を止めて向き合ってみてほしい。
■概要
「THE WORLD」A place where “No Concept” is allowed – 展
開催期間:7月15日(土)〜 8月27日(日)
営業時間:11:00〜20:00
開催場所:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE 3F
>>EDITOR’S VOICE
GYRE GALLERYより表参道駅方面に向かって5分ほど歩いた場所にある、エスパス ルイ・ヴィトン東京にて、ケリス・ウィン・エヴァンスの個展「L>espace)(...」を7月20日(木)から開催されている。全く出自も趣も違うアートを眺めることで、本来、アート表現はピュアに地続きになっていることを、あらためて確認できるのではないでしょうか。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
表参道のGYRE GALLERYでアウトサイダーアートの展覧会が開催中
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE 3F
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- GYREに準ずる※会期中無休