鑑賞者を異世界へ誘う「危険な香り」
マリオン・ペックの個展「Paintings from Lotus Land」がNANZUKA UNDERGROUNDにて開催。2022年4月2日(土)〜5月1日(日)まで。
マリオン・ペックはポートランド在住のアメリカ人アーティスト。1990年に初個展(Marianne Partlow Gallery、オリンピア、ワシントン州)を開催以降、サンフランシスコやニューヨーク、ローマ、パリなどにて数多くの展覧会を開催してきた。
ペックの作品は、北方ルネサンス時代の宗教画の世界を彷彿とさせる緻密な油絵を武器に、私たち鑑賞者を不思議な物語へと誘う。そこは、擬人化された動物、もしくは動物化した人間が登場する世界で、多くの場合、登場する動植物の大きさは「非現実的」。よく目を凝らして見ると、微かな表情の違和感や異物の組み合わせによって、私たちの好奇心をくすぐるさまざまな仕掛けが施されていることに気づくはず。事実、ペックの描く極小とも言えるその絵画は、児童向け絵本のような「親しみやすさ」と、迂闊に近づいてはいけない「危険な香り」との絶妙なバランスで、私たち鑑賞者をその異世界に引き込むことに成功しているのだ。
ペックにとって日本初の個展となる本展では、20数点の新作絵画、及びドローイング作品を発表する予定。本展のタイトルにある“Lotus Land”は、古代ギリシャ神話における寓話に由来している言葉。日本の辞書では単純に「桃源郷」とも訳される場合があるが、ホメロスの「オデュッセイア」に登場する“Lotus-eater”は、より複雑で教訓的なメッセージを象徴する存在として描かれている。「登場人(動植)物たちの表情」そして「物語の行方」といったキーワードを参考にペックの描く異世界に迷い込んで。
■概要
Marion Peck「Paintings from Lotus Land」
開催期間:2022年4月2日(土)〜5月1日(日)
時間:11:00-19:00
定休日:月・祝
場所:NANZUKA UNDERGROUND
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
■画像クレジット
1:Girl with a Puppy (2021)©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
2:The Lighthouse (2021)©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
3:Bear(2021) ©Marion Peck Courtesy of Nanzuka Collection of KAWS
4:Flying Dream(2020)©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
5:Brown Cow(2021)©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
6:The Visitor (2021)©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
7:Fish Boy (2020) ©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
8:Rabbit in Clover(2021) ©Marion Peck Courtesy of Nanzuka
>>EDITOR’S VOICE
NANZUKA UNDERGROUNDから歩いて約6分ほどの場所にあるWORLD BREAKFAST ALLDAYでは、4月1日(金)〜5月31日(火)の期間で「ブルガリアの朝ごはん」を提供中! 「シレネ」「バニツァ」「メキツィ」といった耳馴染みのない珍しいメニューを堪能できる貴重な機会。朝だけでなく昼や夜も営業しているので、ぜひ期間中に立ち寄ってみて。
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
マリオン・ペックの日本初個展がNANZUKA UNDERGROUNDで開催中
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-30-10
- 電話
- 03-5422-3877
- 営業時間
- 11:00-19:00
- 定休日
- 月・祝
- 開催期間
- 2022年4月2日(土)〜5月1日(日)
