複雑なテーマをキュートなタッチで
神宮前のNANZUKA UNDERGROUNDにて、バンコク在住のタイ人アーティスト・Pex Pitakpong(ペックス・ピタックポン)の、日本初となる新作個展「Welcome To My World」が、2024年1月11日(木) 〜2月3日(土)の期間で開催される。
ペックスは1971年バンコク生まれ。1998年からタイの雑誌などを中心にフリーのイラストレーターとして活動。やがて漫画やアニメなどのポップカルチャーへの深い関心から、ペインターとしてアーティストの道を志すようになる。そして、2015年にオリジナルキャラクター「マリ」を生み出し、アーティストとしてのキャリアをスタートさせた。
鮮やかで独特な色使いを施されたペックスの作品は、動物や植物、空想上の生物に扮した少年少女が特徴的である。これらのキャラクター達には、さまざまな人々の多様な生き方を反映する、比喩的な意味が花言葉のように込められている。例えば、本展にて発表される新作「Akha」は、アジアの高地に定住した小さな民族グループ・アカ族がモチーフ。 半遊牧をしながら、山岳地帯で農耕生活をしているアカ族は、言葉、民族衣装、生活スタイルなど独特の文化を現代に至るまで継承している。
一方で、アカ族のなかには国籍を持たない人々も多く、人権や経済的貧困、教育格差といった社会問題にも直面しているという。ペックスは、自らの作品を通じて、こうした複雑なテーマに対する自身の関心を描こうと試みているのだ。
本展ではキャンバス作品7点と、合計99点のドローイング作品からなるインスタレーションを発表予定。なお、本展のオープニングに寄せてペックスが来日し、1月11日 (木) 17:00〜19:00にオープニングレセプションを開催する。
原宿の「Kawaii」カルチャーにも通ずるようなアートを描くペックス・ピタックポン。とにかくキュートだが、それだけではない。作品の裏に込められた複雑なテーマに対して、鑑賞者はどのような思いを抱くのだろうか。
■クレジット
画像1:Pex Pitakpong,Red Rose,2023,Acrylic on canvas,H150 x W129.5 x D3.5cm
画像2:Pex Pitakpong,Hibiscus Flowers,2023,Acrylic on canvas,H150 x W129.5 x D3.5cm
画像3:Pex Pitakpong,Jellyfish,2023,Acrylic on canvas,H99 x W80.5 x D3.5 cm
画像4:Pex Pitakpong,Owl,2023,Acrylic on canvas,H99 x W80.5 x D3.5 cm
■概要
Pitakpong(ペックス・ピタックポン)個展「Welcome To My World」
住所:渋谷区神宮前 3-30-10
開催期間:2024年1月11日(木) 〜2月3日(土)
開催場所:NANZUKA UNDERGROUND
電話番号:03-5422-3877
営業時間:11:00〜19:00
休廊日:日・月曜日
>>EDITOR’S VOICE
NANZUKA UNDERGROUNDから、外苑前駅方面に向かって6分ほど歩いた場所にあるNIGHT OUT GALLERYでは、MAWの個展「LOOKS」を開催中です。ぜひ、今年もオモハラエリアのさまざまなアートギャラリーに足を運んでみてください。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
神宮前・NANZUKA UNDERGROUNDでペックス・ピタックポンの新作個展開催 ポップな少年少女を描く
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前 3-30-10
- 電話
- 03-5422-3877
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 本展会期中のみ日・月曜日 休廊
- 開催期間
- 2024年1月11日(木) 〜2月3日(土)