さまざまな手法で表現する「SURFACE」
スケートボーディングを表現のルーツに持つペインター・山口幸士の新作による個展「SURFACE」が、ワタリウム美術館 B1Fのオン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで開催。2023年9月26日(火)〜11月5日(日)まで。
山口幸士は1982年神奈川県生まれのペインター。スケートボーダーとして都市を視覚的、触覚的そして空間的に読み換え、その風景を光と光を受けて反射する「SURFACE(表層/表面)」に還元する山口の絵画は、自然から人工物、意味を持つ存在から無意味に佇む得体の知れないものまでを等価になぞり、日々の生活から掬い上げる。それらは、この世界の肖像であると同時に、普段の視点では見えない、風景のもう一つの肌理のようなものを見るものに感じさせてくれる作品となっている。
今回の展示は、山口が2023年に制作した最新作で構成。流れてゆくような、あるいはピンボケ写真的な画面の風景画と、消された(バフされた)グラフィティのピースの痕跡を思わせる抽象的な絵画やコラージュの作品群。これら十数点の絵画はいくつかのシリーズに分岐した、アーティストの現在の多角的な視点を反映したものだ。
ワタリウム美術館の地下、オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで開催される本展。これまでにない大きなスケールの作品から、グラフィティやミュラルのように屋外で素早く描かれるペインティングまで、山口の新たな試みを見ることのできる貴重な機会となるだろう。
■画像クレジット
1.Koji Yamaguchi Untitled 2023, 4,365 x 2,273mm, Oil on Linen
2.Koji Yamaguchi Untitled 2023, 1,000 x 727mm, Oil on Linen
3.Koji Yamaguchi Untitled 2023, 1,455 x 970mm, Oil on Linen
4.Koji Yamaguchi Untitled 2023, 1,000 x 727mm, Oil on Linen
5.Koji Yamaguchi Untitled 2023, 1,167x 803mm, Oil on Linen
■概要
山口幸士 SURFACE 展
開催期間:2023年9月26日(火)〜11月5日(日)
時間:11:00〜20:00
場所:オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリー(ワタリウム美術館 B1F)
>>EDITOR’S VOICE
オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーから歩いて約6分の場所にあるNANZUKA UNDERGROUNDでは、フリオ・アナジャ・キャバンディングの新作個展が開催中。ピカソやゴッホ、バスキア、空山基などを模倣した作品群を公開しています。なかでも同スケールで描いたゲルニカには注目してほしい!
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
山口幸士の個展がオン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで開催 過去最大スケールの作品も公開
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6ワタリウム美術館B1F
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- 会期中無休
- 開催期間
- 2023年9月26日(火)〜11月5日(日)