現代の「Life is beautiful」を考える
表参道のGYRE GALLERYにて、eatrip・野村友里と、THE LITTLE SHOP OF FLOWERS・壱岐ゆかりによる展覧会「Life is beautiful : 衣・食植・住 “植物が命をまもる家となり、命をつなぐ食となる”」が開催。2023年9月8日(金)〜10月29日(日)まで。
eatripとTHE LITTLE SHOP OF FLOWERS。互いに東京・原宿の同じ敷地で隣合わせに店を構える、料理人の野村友里と、花屋の壱岐ゆかりは、20年という月日をともに歩んできた。食物と植物、互いに命あるものを扱う日々の中で、2人の探求はあらゆる生物の循環をもたらす土へと向かうようになったという。料理と花という生業が、この循環の一部となれるような、今の時代なりの方法を考え続けること。その活動が、本展のタイトルにある「Life is beautiful」である。
日本では、古くから人が生きるために必要不可欠なもののことを「衣・食・住」という言葉で表してきたが、この言葉が生まれた背景には、どんな暮らしがあったのだろう。「食」よりもまず、「衣」とした理由は何だろう。そんな小さな問いから、かつての日本で衣服として、食材として、神事では霊力ある神聖なものとして扱われてきた植物・大麻と出合い、“食”と“植”の視点から、身を守るための衣へと思考をめぐらせた「衣・食植」展から2年。パンデミック、気候変動、否応なく変化していく環境の中で、2人はほんとうに安心できる「住=居場所」はどこにあるのだろうという問いと向き合うことになったのだという。
2021年11月に開催した「衣・食植」展からの続編となる本展では、茅葺き職人・相良育弥との出合いから、かつての日本の住まいにさまざまに生かされていた植物、稲(米)を再発見するプロセスを描く。食べるための米と、住まうための稲を同時に育てていた日本の気候風土の中で、食となり、家となって命を守っていた“食”と“植”の稲作について、鑑賞者とともに過去を想像し、未来を探究する場としての展覧会となっている。
同じ原宿エリアに店を構える野村友里と壱岐ゆかりによる本展。同じく原宿エリアにあるGYRE GALLERYを訪れて、自分なりの「Life is beautiful」とじっくりと向き合ってみてはいかがだろうか。
■概要
Life is beautiful : 衣・食植・住 “植物が命をまもる家となり、命をつなぐ食となる”
開催期間:2023年9月8日(金)〜10月29日(日)
時間:11:00〜20:00
場所:GYRE GALLERY(GYRE 3F)
>>EDITOR’S VOICE
OMOHARAREALでは、オモハラエリアの個性あふれるお花屋さんと街の風景を紹介する「花と街」が連載中。壱岐ゆかりが主宰するTHE LITTLE SHOP OF FLOWERSも紹介されているので、ぜひチェックしてみて。
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
eatrip・野村友里と・THE LITTLE SHOP OF FLOWERS・壱岐ゆかりによる展覧会がGYRE GALLERYで開催 「住」と向き合う
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-10-1GYRE 3F
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- GYREに準ずる
- 開催期間
- 2023年9月8日(金)〜10月29日(日)