自由で、流動的な「石膏時代」
安井鷹之介の個展「The Plaster Age」が、MAHO KUBOTA GALLERYにて開催。2021年6月29日(火)〜7月31日(土)まで。
安井鷹之介は、1993年愛知県生まれのアーティスト。学生時代より「石膏」と「布」で造形した彫刻で注目を集め、絵画の支持体に彫刻の手法でアプローチする戦略で、唯一無二の表現を確立しつつある、新進気鋭のアーティストである。
伝統的な彫刻の多くは、主に大理石や青銅などを用いて制作されてきた。それらのソリッドな「強い彫刻」に対し、安井は人の手が力を加え自在に形づくることができる「石膏」という中間素材に着目。それを主素材として用いることによって生まれる、自らの作品をフルイドな「弱い彫刻」と呼んでいる。しかし、それはネガティブな表現ではなく、彼にとっては「身体性」と「流動性」をもって「変化する」「自由で」「流動的な」彫刻を指し示しているのかもしれない。
The Plaster Age=「石膏時代」と題された本展では、等身大の彫像を中心に据えた意欲的なインスタレーションを展開する。歴史上のナラティブへの観察者の視点を持ちつつ、物語の構造を現代を生きる個人の座標へと変換させる作業を繰り返し、グレイトーンに彩られた約30点ほどの彫像によってつくり上げた、圧倒的な空間がそこにある。安井の言う「弱い彫刻」とは、一体何なのだろうか。その目で感じ取ってみてほしい。
画像クレジット
©︎Takanosuke Yasui / MAHO KUBOTA GALLERY
■概要
安井 鷹之介「The Plaster Age」
開催期間:2021年6月29日(火)〜7月31日(土)
時間:12:00〜19:00
場所:MAHO KUBOTA GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
入場料:無料
休廊日:日・月・祝
>>EDITOR’S VOICE
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※敬称略
Text:Miwo Tsuji
INFORMATION
石膏と布で造形する“弱い彫刻”とは? 安井 鷹之介個展「The Plaster Age」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前2-4-71F
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 日・月・祝
- 開催期間
- 2021年6月29日(火)〜7月31日(土)