
「裏表参道」映像監督・猪俣ユキが語る表参道&原宿【リレーコラム Through My Eyes】
(2017/05/12)
猪俣ユキ
2001年よりショートフィルムやミュージックビデオの演出をスタートさせ、2006年に『ユモレスク~逆さまの蝶~』で長編映画を初監督。国内外のファッションブランドを中心とした広告、MV、ドキュメンタリーで活動する傍ら雑誌コラムや映画レビューなども執筆。現在、2018年に制作予定の長編映画「Remain in Light」を準備中。
猪俣ユキ 監督・脚本 FODオリジナル『さいはてれび』#6「Melody」
「裏表参道」
バーとは、無宗教者が通う教会のようなもの。
カウンターに座り込み、考え、バーテンダー相手に懺悔をする。
Bar Gattacaに紛れ込んだのは21歳の時。
バーテンダーのボウイさんには角砂糖を燃やして飲むアブサンや、ワイングラスの握り方まで教えてもらった。
生きる伝説と呼ばれるデニーさんが当時やっていたBar Howlに辿り着いたのは、27歳の時。 デニーさんに「やっと辿り着いたね」言ってもらえた。
なかなかその扉を開く勇気がもてなかった私は、Gattacaに通い始めた小娘の頃とは若干違って、バーというものがいかに神聖な場所か意識をしはじめていた。
それ以来デニーさんのとこに行くと注文をせずして”星子ミスト”が出てくるように。なんて贅沢なことだろう!
まだまだバーというものが似合うほど大人の女ではないのだが、バーデビューが早いので許してもらっている。
つまりイケてるバーってのは表参道からちょっと外れた裏表参道にある。
表だけ歩いていては、みつけられない。
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