世界的ファッションストリートへの成長
フォトグラファーのシトウレイ氏も表参道でストリートスナップを行う
出典:STYLE from TOKYO
先述した60年代後半から70年代のファッション興隆期を経て、現在では世界的なファッションストリートへと成長を遂げた表参道。原宿駅近くの若者向けマーケットと、青山通りを越えた大人のエリアとの中間に位置する場所柄、様々なタイプのファッショニスタが行き交う。そのため、ファッションスナップや、ヘアサロンのモデルハントの定番スポットとしても有名だ。
どちらもケヤキをイメージしてデザインされている
今ではすっかり表参道の”顔”となっている外資系ハイブランドの出店ラッシュが相次いだのは、2000年前後。当初はテナント型の出店が目立ったが、2002年にルイ・ヴィトンが表参道に旗艦店をオープンしたことをきっかけに、続々と他のハイブランドも旗艦店の出店を始めた。
ファッション誌『VOGUE』が主催する街一帯を巻き込むファッションイベント「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 」(通称「FNO」)の中心地も表参道
表参道の特徴として、各ブランドが、既存の景観を壊さずケヤキ並木に溶け込むような建築デザインで自社の魅力を表現していることも挙げられる。たとえばTOD’S(トッズ)やHUGO BOSS(ヒューゴ・ボス)、CELINE(セリーヌ)などのブランドを見れば、ケヤキ並木と共鳴する建築デザインとなっていることが分かるはずだ。文教地区としてゲームセンターやパチンコ店などの進出を抑制していること、街に相応しくない屋外広告の規制を行っていることなどに並び、明治神宮を抱える表参道の美しさは、外資系ハイブランドのこういった土地に対する理解によっても成り立っていると言える。(ちなみに、各ブランドが土地を購入して出店を行っているケースが多いのも、この通りの特徴。ケヤキ並木という場所に対する愛情や評価の表れのように、感じられなくもない。)
【次のページ】>> 表参道のこれから