女優・神嶋里花が「原宿駅」をテーマに詩を執筆
(2021/07/05)
映画、CMなどで存在感を示す注目の新人女優・神嶋里花さん。この連載では、原宿の芸能プロダクションに所属する彼女が、表参道・原宿の名所を巡りながら、街の歴史を詩に乗せてお届けします。
神嶋里花(かしま りか)/1998年大阪生まれ。都内の大学の文学部に通いながら女優として活躍中。ANORE INC.所属。
「原宿駅」
雨の日 浮立つ心をそっと見送る
夏の陽射 踊る靴音に耳を傾ける
ずっとずっとただそこにあった
流行への入り口
街中のいい顔を知っているのは
きっと、あなただと呟く
96年の想いを詰めた駅舎
次の時代の到来を 我が身で迎える
いいとこばかりを盗めばいいと
ゆるりと溶け合う原宿駅
うしろの緑がもくもくと映える
なだらかな坂道 左手でそっとなでてみる
冷たいはずの鉄柱にぬくもり
太陽を眩しそうに若者が立つ
その体の内側に血の蠢きの音
そっと隣にあるのは
まるでおばあちゃんのような優しさ
神嶋さんは今回、2020年に新駅舎へと代変わりした原宿駅を訪れました。96年にわたり街を見守ってきた旧駅舎は現在取り壊されていますが、惜しむ声に応える形で復元される予定。彼女の言葉でこの駅の歴史に興味を持った方は、こちらの記事もチェックを。
Model & Poem:RIKA KASHIMA
Photo:TAKASHI MINEKURA
Edit:TAKESHI KOH