光によって自らを「彩生」
南青山のアニエスベー ギャラリー ブティックにて、2024年3月9日(土)〜4月7日(日)にかけて、写真家・大矢真梨子の個展「La lumière」が開催される。開催に先駆け、3月8日(金) 18:00よりオープニング・レセプションを予定。
大矢は、自己の記憶と対峙することで湧き上がる感情を「光」に投影し、独自の色彩感覚を用いて表現する写真家だ。日大芸術学部写真学科を卒業後、同大学院芸術学研究科映像芸術専攻博士前期課程を修了。近年では2023年、アニエスベー(agnès b.)日本初出店から40周年の節目に合わせて開催された『「elective affinities」展PartI 』に出展するなど、様々な企画展に精力的に参加している。
本展は、自然が醸し出す儚げな美しさと、そこから垣間見える強靭な生命力へと対象を見出した、未公開のもの含む作品 29 点と映像作品で構成される。
これまで、教会のステンドグラスから漏れる光や、閉ざされた薄暗い室内にひっそりと広がる光などを捉え、感情の複雑さを連想させる作品を撮り続けてきた大矢。今回の作品群は、光を柔らかく捉え、対象物の輪郭を溶かして幻想的な質感を作り出しながら、影の先にある光に存在感を与えることで、凛とした雰囲気を纏うものとなっている。どの作品にもタイトルは無いが、写し出された「光」が放つ圧倒的な美しさが、鑑賞者にとっての内省と想像の世界を喚起する展示となっている。
『心の中の暗闇に光が差す感覚は、撮ることでしか体現できない。自分に足りない明かりを取り込み、自らを「彩生」していく。』と、今回の展示に寄せてアーティストステートメントを記す大矢。「光」という儚い存在が、大矢のレンズを通すことで存在感を帯び、大矢自身そして作品を観る人々にとっての「支えとなるもの」に変化する。そんな力強い体験を、洗練された南青山の街で静かに味わってみてほしい 。
■画像クレジット
©️Mariko Ohya
■概要
写真家・大矢真梨子個展「La lumière」
開催期間:2024年3月9日(土)〜4月7日(日)
オープニング・レセプション:2024年3月8日(金)18:00〜21:00
開催場所:アニエスベー ギャラリー ブティック
住所:東京都港区南青山 5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
電話番号: 03-3406-6010
営業時間:12:00 〜19:00
休廊日:月曜日
>>EDITOR’S VOICE
アニエスベー ギャラリー ブティックから骨董通りを高樹町方面へ徒歩4分。盆栽・古美術・現代アート・工芸などを取り扱うギャラリーとカフェが融合した「松葉屋茶寮・方舟GALLERY」はシック且つ厳かな内装が特徴的です。「光」にまつわる展示と合わせて、こちらで和モダンなスイーツを楽しみつつ、静かなひと時を堪能してみてください。
Text:Rumi Hasegawa
Edit:Tomohisa Mochizuki
※敬称略
INFORMATION
南青山・アニエスベー ギャラリー ブティックで写真家・大矢真梨子の個展が開催 自然の儚さと生命力を映す
- 住所
- 東京都港区南青山 5-7-25 ラ・フルール南青山 2F
- 電話
- 03-3406-6010
- 営業時間
- 12:00 〜19:00
- 定休日
- 月曜日
- 開催期間
- 2024年3月9日(土)〜4月7日(日)