「私はアートになりたい」
神宮前のワタリウム美術館にて、2024年2月4日(日)〜 5月6日(月・祝)にかけて「パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい」が開催される。
本展はワタリウム美術館コレクションよりアンディ・ウォーホルを始めとした11人を厳選し、ゲストアーティストにさわひらき、野口里佳、杉戸洋を迎えて開催。「日常にカモフラージュする」「自然にカモフラージュする」「記憶にカモフラージュする」「空間にカモフラージュする」の4つの章に分け、約80点の作品が展示予定。
本展のテーマとなっている「カモフラージュ」とは、「自身の存在を隠し、周囲に溶け込む」ことを指す。今回の展示では、カモフラージュを「生存本能」に基づくものと定義づけ、訪れる人々が日々の刺激や街の喧騒からひっそりと身を隠せるような体験空間を作り上げている。
第一章の「日常にカモフラージュする」では、ポップアートの巨匠と称されるアンディ・ウォーホルのセルフポートレイトを始め、さわひらきによる幻想的なインスタレーションなどが展開される。さわひらきの作品は、日常空間に本来あるはずのない状況を出現させることから、アートに彷徨いこむような感覚を体験することができるだろう。
続く第二章では、「植物を超えるものは植物と一体である」との作品を持つロイス・ワインバーガーの展示や、野口里佳の微視と巨視の行き来による作品を通して、自然のエネルギーの中に紛れ込む体験が用意されている。
第三章では、一貫して個人・集団の存在と死、記憶をテーマとしたクリスチャン・ボルタンスキーの作品、第四章では 「ヴィデオ・アートの父」として名高いナムジュン・パイクのメディア・アート作品など、異なるテーマで構成される4つの章を巡り、まるで「自分自身がアート作品に溶け込む」ような没入感を味わうことができるはず。
本展では、哲学者・西田幾多郎の「物になるということ」が引用され、実際の音声も聴取可能。東洋と西洋、異なる視点から捉えた「カモフラージュ」の在り方を踏まえつつ、オモハラエリアの喧騒から少し離れ、外苑前のワタリウム美術館でじっくりとアートの世界に没入してみてはいかがだろうか。どのアートに溶け込むか、自分なりの「カモフラージュ」を探してみるのも楽しいかもしれない。
■画像クレジット
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アンディ・ウォーホル ヨーゼフ・ボイス・イン・メモリアム 1986
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アンディ・ウォーホル セルフポートレイト 1986
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さわひらき flown(展示風景) 2022 © Hiraki Sawa. Courtesy Parafin, London. Ota Fine Arts, Tokyo. Photo: Peter Mallet.
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ロイス・ワインバーガー 組織学の断面 2000
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野口里佳 虹は生き物 2023 © Noguchi Rika / Courtesy of Taka Ishii Gallery
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杉戸洋 「男爵芋」cobbler potatoes 2023 © Tomio Koyama Gallery
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ドナルド・ジャッド 無題 1977
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キース・ヘリング 無題(部分)1983
■概要
I LOVE ART 18
「パーフェクト・カモフラージュ展 ー 私はアートになりたい」
開催期間:2024年2月4日(日)〜 5月6日(月・祝)
開催場所:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話:03-3402-3001
開館時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日(2/12、4/29、5/6は開館)
>>EDITOR’S VOICE
ワタリウム美術館から徒歩1分、外苑西通り沿いの「WORLD BREAKFAST ALLDAY」では2月1日から「ポーランドの朝ごはん」を提供中。期間は3月31日まで。本展で第三章に登場するクリスチャン・ボルタンスキーのルーツの一つでもあるポーランドは、実はりんご生産量欧州1位!この機会にぜひ、りんごが主役の一皿を味わってみてください。
Text:Rumi Hasegawa
Edit:Tomohisa Mochizuki
※敬称略
INFORMATION
神宮前・ワタリウム美術館にて「パーフェクト・カモフラージュ展」が開催 珠玉の現代アートに溶け込む
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6
- 電話
- 03-3402-3001
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 月曜日(2/12、4/29、5/6は開館)
- 開催期間
- 2024年2月4日(日)〜 5月6日(月・祝)