紙芝居を想起させるようなアート
プラダ青山店にて、田名網敬一の個展「PARAVENTI: KEIICHI TANAAMI」が、2023年11月3日(金)〜2024年1月29日(月)の期間で開催される。
1960年代から、日本を代表するポップアーティストの一人である田名網敬一。彼は、アメリカのポップカルチャーと浮世絵に代表される日本の挿絵様式的な特徴や技法を組み合わせており、グラフィック小説、コラージュ、彫刻作品、絵画、映像など、さまざまな表現方法を横断しながら作品を製作している。
本展は、ミラノでの展覧会のために製作した「屏風」のコンセプトを発展させ、新たなインスタレーションを作成。屏風のように展開するビデオインスタレーション、キャンバスコラージュを用いた屏風、プロジェクションマッピングを駆使した大きな書籍によるビデオインスタレーションなどが公開される。これらの作品によって「畳み込む」という概念を強調するとともに、日本における紙芝居の文化を想起させ、隠されているものと明らかにされているもの、畳み込まれているものと解き放たれているものとの対比に光を当てる。
また本展では、室町時代後期(16世紀)に活躍した日本人水墨画家、式部輝忠の六曲屏風一双『梅竹叭々鳥図屏風(バイチクハハチョウズビョウブ)』も展示予定だ。万華鏡のように、色彩豊かで複雑な田名網のスタイルと相互の関係を生み出し、アートの歴史とのつながりを明らかにする。
和の象徴である屏風と、サイケデリックな現代アートが融合する本展覧会。最先端のカルチャーに彩られながらも、古き良き趣を残す青山の街にも通ずるところがあるだろう。日本の古典文化とモダンな感性が交わる、新鮮なアート体験を楽しみたい人は、プラダ青山へ足を運んでみては。
■概要
田名網敬一 個展「PARAVENTI: KEIICHI TANAAMI」
開催期間:2023年11月3日(金)〜2024年1月29日(月)
営業時間:11:00〜20:00
開催場所:プラダ 青山店 5F
住所:東京都港区南青山5丁目2-6
>>EDITOR’S VOICE
南青山には、プラダと同じくアパレルブランドが運営するギャラリー「アニエスベー ギャラリー ブティック」が。本ギャラリーでは現在、盛圭太の個展「眠たい名前」が開催中です。こちらもぜひチェックしてみてください。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
プラダ青山で田名網敬一の個展が開催 「屏風」をテーマに新たなインスタレーション作品を展開
- 住所
- 東京都港区南青山5丁目2-6
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- プラダ青山店に準ずる