都市のようでいて、そうではないもの
NY在住のアメリカ人アーティスト、ジョナサン・チャプリンの個展「Metropolis」が、神宮前3丁目のNANZUKA UNDERGROUNDにて開催。2023年3月18日(土)〜4月16日(日)まで。
本展は、チャプリンにとって、2020年1月に移転前のNANZUKA UNDERGROUND(渋谷地下スペース)で開催した個展に続く二度目の展覧会となる。 今回発表されるのは、チャプリンの建築、空間への深い関心から生まれた新しいシリーズ。チャプリンは、ル・コルビュジエの「ヴォアザン計画」(Plan Voisin)、1939年ニューヨーク博覧会「明日の世界の建設と平和」(World of Tomorrow)、ロバート・モーゼスの都市開発計画(urban development projects)など20世紀半ばの未来都市建築プロジェクトへの造詣を深めると同時に、ソフィー・タウバー=アルプ、マレーヴィチのシュプレマティズムの画家たちを研究し、彼らの視覚認識に関する論理、構図やイメージを決定する手法を研究してきたという。
こうして完成した絵画作品は、アル・ヘルドのペインティングやオスカー・ニーマイヤーのCathedral of Brasilia、磯崎新の「空中都市」、水道やコロセウムといった古代ローマ建築からの影響関係を読み取ることができるが、チャプリンのデジタル都市風景は、都市が本質的に持ち合わせている機能を視覚的に顕とし、また高度に文明化されていく現代の空間が持つ潜在的な機能美を映し出そうとしている。
また、会場では、チャプリンが長い構想期間と複雑な製作工程をかけて完成させた大掛かりなブロンズ製の噴水も公開。こうした立体作品への執着は、現代都市空間における立体美術作品の存在意義に大きな啓示を与えてきたルイーズ・ネヴェルソン、ブランクーシ、ジャック・リプシッツといったアーティストたちが残した文脈に基づいている。
会期初日となる2023年3月17日(金)の夜には、チャプリンを囲んで、オープニング・レセプションも開催予定。デジタルテクノロジーを駆使した新たな新世代のアーティストの一人として将来が嘱望されるジョナサン・チャプリンと神宮前で出会える、この貴重な機会をお見逃しなく。「建築」と「空間」への飽くなき追求から生まれた作品群をじっくりと味わって。
■画像クレジット
©Jonathan Chapline Courtesy of NANZUKA
■概要
ジョナサン・チャプリン「Metropolis」
開催期間:2023年3月18日(土)〜4月16日(日)
営業時間:11:00-19:00
定休日:月曜、火曜
場所:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前3-30-10
オープニングレセプション:2023年3月17日(金) 17:00-19:00
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
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※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
NY在住アーティスト、ジョナサン・チャプリンの個展が神宮前・NANZUKA UNDERGROUNDで開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-30-10
- 営業時間
- 11:00-19:00
- 定休日
- 月曜、火曜
- 開催期間
- 2023年3月18日(土)〜4月16日(日)