青山ブックセンター本店・文芸書担当 青木さんが選ぶ心がゆれた1冊
OMOHARAREALでは秋の読書企画を2022年も開催。「本棚を見ればその人となりが分かる」なんてよく言われているけれど、表参道・原宿で働くスタッフたちのお気に入りの1冊、気になりません?今年の【私の1冊】のテーマは、心がゆれた1冊。気持ちが揺さぶられた、感動した、モチベーションが上がったなど、そんな1冊を紹介してもらいました。個性溢れるお店と人の魅力にもフォーカスしています。
今回、本を選んでくれたのは青山ブックセンター本店・文芸書担当 青木麻衣さん
青木麻衣(あおきまい)/1993年生まれ。2016年に青山ブックセンター六本木店に入社後、2018年に青山ブックセンター本店に異動となる。文芸書、実用書の仕入れやイベント関連を担当している。今回、青木さんが紹介してくれた本をきっかけに、自転車の楽しみに目覚め、自転車の購入を検討中。
青木さんの心がゆれた1冊:『臆病者の自転車生活』安達茉莉子
「安達さんは商業出版で初めて本を出されたときに、青山ブックセンターで出版記念イベントを開催した作家さんです。 そんな安達さんが、人生で一度も自転車を必要と思ったことがなかったのに、ひょんなことからどんどん自転車にのめりこんでいくエッセイです。
最初は電動自転車に始まり、ロードバイクで横浜から真鶴まで行ったり北海道の苫小牧を走ったり、自転車に乗る自分をどんどん好きになっていくのが伝わってきます。
自分にはできないとか、関わりのない世界だと決めつけていても、きっかけさえあればこんなにも熱中できて、生活がガラリと変わるんだと、読んでいて羨ましくなりました。安達さんが目標をクリアしていく姿を見ると自分も何か始めたい!という気持ちにさせてくれます。
この本を読んで、街で見かけるシェアサイクルサービスを使ってみたんです。同じ都内でも見える景色が全然違うしすごく気持ちが良くて、自転車があればきっと、もっといろいろなところに行けるなと実感できました。何かに挑戦したいけど、なかなか一歩を踏み出せない人にぴったりな1冊です。イラストも素敵で読みやすいですよ。」
■青山ブックセンター本店の最新情報
青山ブックセンター本店のギャラリースペースで行われるイベントやポップアップも見所。新刊や話題の書籍を刊行している作家にフォーカスし、紹介している。
2022年12月14日(水)からはマンガ家・イラストレーターの大白小蟹さんの原画展が開催。リイド社が発行するWebコミック誌・トーチコミックスから出版される『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』(リイド社) 刊行記念として開催され、会場では原画の販売も行う予定だ。
大白さんの単行本デビュー作となる本作とともに、優しく、憂いを帯びたタッチの原画を見て買うことができる貴重な機会となっている。12月27日 (火)まで。
青山学院大学の向かい、国際連合大学近くにある表参道・原宿エリア最大規模の書店。約10万冊にものぼる書籍が販売されている。グローバルかつクリエイティブな業種が多く集まる場所柄を反映し、海外のファッション誌やアート誌といった書籍も多く陳列されている。都内の大型書店では珍しくワンフロアでアップダウンがなく、店内が巡りやすい作りになっているのも特徴。リラックスしながら本が読めるテラス席や、お店の奥にはイベントスペースも備えており、書籍に関連する作家を招き、トークショーなどのイベントが行われる。
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL編集部