その奥に潜むものに、想いを寄せて
佐藤誠高の個展「Dancing on the edge」が、SCÈNEにて開催。2021年10月13日(水)〜11月12日(金)まで。
佐藤誠高は、愛知県生まれ、東京藝術大学デザイン科卒業のアーティスト。佐藤の作品の中で、一見写真のように見えるモノクロームの人物や花は、目を凝らせば鉛筆で極めて緻密に描かれており、その上に大胆かつ重厚に絵の具が重ねられている。その制作方法として佐藤は、例えば人物ならば後に覆い隠す目、花であれば花弁の印象をはじめに鉛筆で描いてからその上に絵の具を重ねるのだが、その絶妙な均衡の上に「リアル」を描き出すことを試みているという。
「リアル」とは、表面的な美しさに表れるものではなく、そのうちに潜む狂気と社会性、本能と優しさなど、様々なものごとの狭間で保たれている危うい均衡の上にこそ見えるものであると佐藤は話す。たしかに「瞳」や「花弁」といった佐藤が覆い隠すパーツは、それぞれの存在自体があまりに雄弁である。その奥に潜むものに想いを寄せる時、はじめて佐藤の描き出さんとするものが見えてくるはずだ。
画像:Naritaka Satoh “Lover 3 ”, 2021, pencil, acrylic, paper, wooden panel, 1455×1455mm ©Naritaka Satoh
■概要
佐藤誠高個展 "Dancing on the edge”
開催期間:2021年10月13日(水)〜11月12日(金)
時間:12:00-19:00
休廊日:月・日・祝
場所:SCÈNE
※アポイントメント制(専用フォームより事前予約必須)
>>EDITOR’S VOICE
SCÈNEから歩いて約4分の場所にある「yummy books」には、その名の通り思わず手に取ってしまう“美味しそうな本”がたっぷり。絵本から哲学書まで、お気に入りの1冊が見つかるはずなので、ギャラリーの帰り道にぜひ立ち寄ってみて。
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
覆い隠すことで見えてくるリアル。佐藤誠高「Dancing on the Edge」
- 住所
- 東京都港区南青山3-15-6Ripple Square D-B1
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 土、日、祝
- 開催期間
- 2021年10月13日(水)〜11月12日(金)