
高橋盾、米原康正、SKOLOCT、藤井フミヤの豪華な友人たちが来訪
南青山の閑静な住宅街の隙間に、ミュージシャンでありアーティストとしても活動する藤井フミヤさんが「Feb gallery Tokyo」をオープンした。自らギャラリーをオープンしたのは、この建物に出会い、可能性と魅力を感じたことがきっかけだという。OMOHARAREALでは「Feb gallery Tokyo」自体にフォーカスした記事もお伝えしたいと考えているので、今回は2021年10月4日からスタートしたギャラリー初の展覧会となる「Keep in touch」についてレポートする。
「Keep in touch」では、新たにギャラリーとして命を吹き込んだ場所で自身の作品とともに、兼ねてより藤井フミヤさんと交流のあるアーティスト、クリエイターの作品を迎え入れている。名を連ねるのは木梨憲武、永井博、NIGO®️、高橋盾、米原康正、SKOLOCT、KYNEなど、世代やジャンルを横断し、原宿のカルチャーにも精通するアーティストたち。名前を見るだけで胸が躍る、ギャラリーのスタートを飾るに相応しい象徴的なグループ展だ。
急遽取材を申し込んだ内覧会の日は台風16号が関東地方に接近中。嵐の中でも足取りは軽い。ワクワクしながら中に入ると、白を基調とした空間を数々の作品が彩る。絵画からオブジェ、展示方法も手法も多様な作品が空間の中で主張しながらも調和している。偶然なのか、変型のキャンバスに英字の格言を描いたNIGO®氏の作品は柱にちょうどピッタリだ。
360°カメラによってリアルタイムでモニターに映し出される映像は、作品ではないが展示のコンセプトを忠実に体現しているように見えた。死角のない一つの同心円上に、作品を鑑賞しながらマスク越しに言葉を交わす、訪れた人々の様子が鮮明に映る。
内覧会に訪れた参加アーティストや、ギャラリスト、友人・知人たちの中には、久しぶりに顔を合わせる人も多い様子。藤井フミヤさんを交え、再会の喜びを分かち合う様子はまるで同窓会のような、アットホームで居心地のいい時間が流れる。
「Keep in touch」はコロナ禍における、オフラインの繋がりがコンセプト。展覧会を通じて、人と人とが顔を合わせ繋がり、コミュニケーションする様子が実際に見てとれた。もしかしたら藤井フミヤさんがギャラリーを立ち上げた理由にも、アートを通じてコミュニケーションを生み出す拠点や、仕組みを作りたい思いがあったのかもしれない。
展覧会は11月14日(日)まで開催され、来場は時間を指定しての予約制となっている(概要は記事最下部に記載)「Feb gallery Tokyo」は以後も定期的にエキシビションを開催していく予定。南青山の街の中から、アートの持つピュアな魅力とありのままの美しさを今後も発信してくれるのではないだろうか。
ギャラリーを出ると、すっかり夜だ。台風16号が過ぎ去った、雨上がりの南青山の住宅街は澄んだ空気に満ちていた。夜空に浮かぶ白い雲のように「Feb gallery Tokyo」はそこに佇む。藤井フミヤさんは帰り際「ありがとう」と一言添えて、送り出してくれた。建物との出会いと同じく、偶然を大切にしながら人とも出会いを重ねて繋がりを構築してきたのだろう。分け隔てなく、自然体で接してくれるその姿勢が今なお多くの人を惹きつけているのだと感じた。
■概要
「Keep in touch」
参加アーティスト:上田 暁子/Ed TSUWAKI/FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS®/藤井 フミヤ/ヒロ杉山/Hiromi Iuchi/永井 博/田辺ヒロシ/高橋 盾/操上 和美/田島 一成/浅井 健一/KYNE/倉科 昌高/辰巳 菜穂/NIGO®/木梨 憲武/SKOLOCT/米原 康正/森田 恭通/ミヤギ ユカリ(敬称略・オフィシャルサイト掲載順)
開催期間:2021年10月4日(月)〜11月14日(日)
時間:11:00〜18:00
休廊日:水曜日(「Keep in touch」開催期間中)
場所:Feb gallery Tokyo
住所:東京都港区南青山4-8-25
来場予約:RESERVATION