普段の風景をアートに変換
2020年12月26日(土)まで、骨董通り「小原流会館」の地下にある「hpgrp GALLERY TOKYO」にて、上野友幸氏の個展「The world goes on」を開催中。
上野友幸氏は、東京芸術大学大学院を修了後、2009年からベルリンを拠点に国内外で活躍するアーティスト。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリン芸術大学を修了し、2017年よりクンストラーハウス・ベタニエンにて1年間のレジデンスに参加するなど着実に実績を積み、2018年にはモスクワ・ビエンナーレ・フォー・ヤングアートに選出されている。
本展では、大理石や化石、蝶の標本や枝といった自然素材を使用した作品が並ぶ。どの作品からも、芸術と日常を接続しようとする上野氏の強い意志が感じられる。
大理石プレートとアクリルマウントの写真を組み合わせた作品シリーズ「Wave Sculpture」は、大理石の模様と写真の波を繋げるように並べることで、大理石の模様は波に見え、波は大理石の模様にも見える。この作品を鑑賞した後、私たちは海や川に大理石の模様を投影したり、大理石の外壁やテーブルの模様に波を見るようになるかもしれない。上野氏は展示空間を飛び出して日常風景をも彫刻化している。
日常の枠組みを取っ払うような作品が並ぶ本展。彼の作品を見れば何気ない風景がアートな世界に変換されそうだ。
■概要
The world goes on
開催期間:2020年11月27日(金)〜12月26日(土)
開催時間:12:00〜19:30
定休日:日・月・火曜
開催場所:hpgrp GALLERY TOKYO
住所:東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
■クレジット
「Wave Sculpture - 21.Feb.2019 15:37 Tokyo」
H42xW60xD4.5cm / 大理石、アクリルマウント写真、アルミ複合版、CDF/ 2020
「Sky Sculpture - 27.Jul.2020 15:42 Berlin」
H.42×B.60×D.4.5cm/大理石、アクリルマウント写真、アルミ複合版、CDF/2020
「ammonite & rose window #1」
H.22.7×B.10.2×D.1.8cm /アンモナイトの化石/2020
>>EDITOR’S VOICE
近くの岡本太郎記念館では、2021年1⽉31⽇(日)まで「対峙する眼」を開催中。本展では、対峙するいきものが描かれた作品を集め展開する。ふたつの“いのち”が語りあい、睨みあい、笑いあう。そしていつのまにか、複数の眼が生命力をたぎらせ、群れをなして鑑賞者を睨みつけてくるよう。いのちを宿した「岡本太郎の眼」と対峙してみては。
Text:Ayaka Minoda
INFORMATION
よく見ると左は大理石、右は波…? 芸術と日常をつなぐ上野友幸個展が南青山にて開催中
- 住所
- 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
- 電話
- 03-3797-1507
- 営業時間
- 12:00〜19:30
- 定休日
- 日・月・火曜
