暮らしに些細な喜びを感じる尊さ
hpgrp GALLERY TOKYOにて、書籍の装画、雑誌や広告など多岐にわたり活躍するイラストレーター・西山寛紀の新作個展「NECESSARY」を開催中。5月14日(土)まで。
hpgrp GALLERY TOKYOでは初となる、西山寛紀の個展。シンプルな構図の中に大胆にデフォルメされたモチーフが配置され、どこかノスタルジックな色彩が印象的な彼の作品は、私たちの多くが「日常」と認識するイメージを端的に捉えている。
本展について西山は「陽が昇り明るくなる部屋、季節が変わる時の空気の匂い、食卓で愛用している器の感触。好きな音楽を聴く時間など、日々の中で感じた喜びを絵にすることが自分にとって『日常を讃えること』になっている。近年では、長引く新型コロナウイルスの猛威やその影響、日々報じられる国際的な状況など、目を覆いたくなるニュースに触れる機会が多くなった。『当たり前の日常』がある日突然奪われてしまう現実がある。そんな中、日々享受できている暮らしの些細な喜びがどれだけ尊いのか、より強く意識しながら生活をし、仕事をし、絵を描いた」と語る。
日常がほんの少しのきっかけで全く変わってしまうことを経験した今でも、今日と同じような明日がまた来ることに疑問を持つのは難しい。西山は、そんな“日常”に、安心感だけではなく心のざわつきを感じとる。当たり前と思っている小さなことに意識を向け、自分の手の届く範囲を改めて観察しながら、日常のシーンを描く。それは、ささやかな毎日を讃えることであり、ノイズをポジティブなエネルギーに変換する「祈り」のようなものなのかもしれない。
骨董通りの地下にある閑静なギャラリーで、当たり前の日常にもう一度目を向けてみよう。
■クレジット
画像1:"NECESSARY"
水彩紙、アクリル絵の具 / H594×W420mm / 2022
画像2〜3:西山寛紀個展 "NECESSARY" 展示風景 2022
■概要
西山寛紀新作個展「NECESSARY」
開催期間:4月13日(水)〜- 5月14日(土)
営業時間:12:00~19:00
開催場所:hpgrp GALLERY TOKYO
住所:東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F
電話番号:03-3797-1507
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
青山フラワーマーケット南青山本店が、4月15日(金)より移転オープン。場所はhpgrp GALLERY TOKYOの目と鼻の先です。個展の帰りに旬の花を買って、日常に新たな彩りを添えてみては。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
hpgrp GALLERY TOKYOで西山寛紀の新作個展を開催 当たり前の日常を讃える作品たち
- 住所
- 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F
- 電話
- 03-3797-1507
- 営業時間
- 12:00~19:00
- 定休日
- 日曜・月曜・火曜