
“循環”を意識したレストランフロア
表参道GYREにあらゆるプロ集団が手がけたグルメスポットが登場した。11月30日(金)、ずっと「Coming Soon」になっていたGYREの4Fが「GYRE.FOOD」として生まれ変わったと聞いて、早速潜入してきた!
エレベーターを登ると、GYRE.FOODの文字とMAPがお出迎え。
左にはカフェバー「フュンクライン」とその奥には土色のオブジェのようなものが見える。
進んでみると階段状の正方形がずらっと並んだ異空間が現れる。古代遺跡の中にいるような、アートを見ているような不思議な空間だ。その前にバーがあり、そこで頼んだものを階段状のベンチで飲むこともできる。
GYRE.FOODは「SHOP&THINK」というコンセプトがあり、”世の中に起こす影響を考えながらショッピングしよう”というメッセージが込められている。さらに「循環」というテーマの元、フロア全体の床も壁も土によって覆われていて、“全ては土から生まれ土に還っていく”ということを表現しているのだ。
全体のコンセプトを手がけたのはGYREの総合ディレクターとして多岐にわたるプロジェクトを手掛けるHiRAO INC代表 平尾香世子氏、原宿・明治神宮前の古民家にオープンした「restaurant eatrip」をはじめ「食」について多岐にわたって活動する料理人・野村友里氏。現場のディレクションは、新宿ゴールデン街でレモンサワー専門店「THE OPEN BOOK」を手掛けた田中開氏。空間の設計は、フランスを拠点に活動する建築家・田根剛氏が担当と、錚々たる実力者たちによって作られている。
グロッサリー&スーベニア「eatrip soil」は、「本当に欲しいもの必要なもの」を料理人の野村氏の目線でセレクトしたお店。また野村氏が雑誌『Hanako』で連載中の「Good Neighbors, Good Suppliers」で紹介したイチオシの食材が並ぶ。
器も展開していて、これらはオールデイ・ダイニング「ユーリカ」でも使われている。
フュンクラインでは日本で初の試みとなるシステム「タップカクテル」の技術を使用。色とりどりのカクテルがタップから出てくる。海外での経験が豊富なバーテンダー野村空人氏がプロデューサーとなり、ビジュアルだけではなくクオリティの高いカクテルを楽しめるバーだ。
ユーリカのテーブルや椅子も土や大地を感じるデザイン。ホテルのラウンジのような高級感のある空間なのに、グリーンや土に覆われ自然を感じることもでき居心地が良い。レストランのディレクションはパリで修行し銀座「ESqUISSE(エスキス)」で副料理長として腕を磨いてきた信太竜馬氏が担当している。
ランチメニューはA〜Cまであり、1,500円〜2,600円と意外にもリーズナブル。Aプレートは、メインのクスクス、鳥のコンフィ、サーモンのパイ包みから一つを選ぶことができ、コーヒーか紅茶も付いている。オーダーしてまもなくスープ、サブレ、パンも提供され、そのスープとサブレは野菜の根っこなどメインには使用できない部分で作られたものとの説明が。ここでも無駄にせず循環していくというテーマを感じた。
鳥のコンフィは、茨城県産の鳥を使用していて柔らかな食感で、味付けも上品。
クスクスは肉や様々な野菜が入っていて、スパイシーな味付け。
落ち着いた雰囲気でゆっくりとランチができて、満足感のあるランチ時間を味わえた。
表参道に新たな風を吹かせる「GYRE.FOOD」。様々なプロによって考えられ作られた自然あふれるこの空間で、“循環”を意識しながら食事を楽しんでほしい。美味しい食事をしながら、いつの間にか食への考え方が変わっていく。そんな風に人々の食文化の未来を作る今までに無いスポットになっていくだろう。
■概要
GYRE.FOOD
PRE OPEN:2019年11月30日から一部店舗を除きオープン
GRAND OPEN:2020年1月10日
(elan/エランのオープンは1月10日予定)
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 4F
Text:Ayaka Minoda
