過去を辿り、断片的な記憶を立体化
神宮前5丁目、「Graphpaper(グラフペーパー)」が運営するギャラリースペース「白紙(hakushi)」にて、彫刻家・坂本紬野子(さかもとちのこ)の個展「Detachment」が開催される。会期は、2024年4月6日(土)〜 4月14日(日)まで。
坂本紬野子は、長崎に拠点を置く彫刻家。2016年、イギリスのロンドン芸術大学キャンバウェルカレッジオブアーツ彫刻科を卒業し、在学中に「粘土」素材に触れたことから陶芸を始め、手びねりの技法を用いて作陶を行う。釉薬も自ら調合し、新旧が混在する色、テクスチャーを追求し続けている。
本展では、坂本自身が、何か古いものを目にした時のインスピレーションや、日々の中で記憶に留めた建築物、建築装飾などを意識して制作した作品群が並ぶ。過去の記憶を辿りながら、そのイメージを立体的に展開しているという。
坂本の生み出す作品は、手びねりによる際限のない自由さが魅力だ。自らの手を使い粘土をこね、積み重ねていく、この作業から生まれる「率直な表現」に坂本自身も惹かれたという。本展でも、古いもの、とりわけ建築が持つ重厚感を残しながらも、柔らかなフォルムと色合いに包まれた作品が並ぶ。
「白紙」は閑静だが、同じ建物にアートブックやZINEを扱う「UTRECHT(ユトレヒト)」などもあり、どこか創造性が漂うロケーションにある。そんな中で坂本の記憶の断片から生まれた作品一つ一つが集合体となり、「白紙」のまっさらな空間を彩る本展。素材や事象に対する飽くなき探求によって形作られた坂本の世界観に触れてみてほしい。
■概要
Chinoko Sakamoto " Detachment "
開催期間:2024年4月6日(土)〜 4月14日(日)
開催場所:白紙 HAKUSHI
住所:東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション 3F
電話番号:03-3409-3456
営業時間:12:00〜 19:00
定休日:月曜日
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会場から徒歩4分。Gallery COMMONでは、アメリカ人アーティスト、マシュー・ブラントの日本初個展が開催されます。「陶芸」の自由な可能性を探る坂本のように、「写真」の概念を覆すようなマシューの展示。こちらも表現の可能性を感じさせてくれるはず。
Text:Rumi Hasegawa
※敬称略
INFORMATION
神宮前・「白紙(hakushi)」にて彫刻家・坂本紬野子の個展「Detachment」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション 3F
- 電話
- 03-3409-3456
- 営業時間
- 12:00〜 19:00
- 定休日
- 月曜日
- 開催期間
- 2024年4月6日(土)〜 4月14日(日)