気鋭の現代アートギャラリーが神宮前に登場
現代アートギャラリー『Galerie Supermarkt(ギャラリー ズーパーマルクト)』がワタリウム美術館近く、神宮前3丁目にオープン。こけら落としとして、サン・ウー・キムとヨハネス・ボシシオによる展覧会「Welcome to my melancholy」を2023年7月9日(日)まで開催中。
これまで特定のスペースを持たず、作品、そしてアーティストに最適な場所で展覧会を企画・運営してきた『Galerie Supermarkt』が、神宮前に新スペースをオープン。こけら落としとなる本展では、サン・ウー・キムとヨハネス・ボシシオの対話を通じて脆弱さ、美しさ、内省について探究していく。
韓国出身・ロンドン育ちのサン・ウー・キムは、絵画と写真の境界線を曖昧にするイメージを様々なメディアで作成し、絵画の定義に対して疑問を投げかけるアーティスト。ディアスポラ(「移民」「植民」)の苦悩や、自分自身が第三の文化圏で育ってきたことで経験した人種差別の問題を表現し、自己概念、知覚、見ることと見られること、そしてアイデンティティと現実に関連する問題における重層的自己概念を反映している。
また、モデルとしても世界各国で活躍しており、BurberryやKENZO、OFF-WHITEなど数々のショーに登場し、これまでに数え切れないほどの広告や雑誌でモデルを務めている。
イタリア・カヴァレーゼ生まれ、世界的な作家ロバート・ボシシオを父に持ち、ロンドンを拠点に活動するヨハネス・ボシシオは、人間と機械の関係や、人物と地面、身体と心、物質と非物質、有機と無機、動物と機械の分離などの二元論の超越を探求するアーティスト。
バイナリファイル(画像、音声、動画データ、プログラムなどテキスト以外のデータファイル)を融合してハイブリッドを作成し、または人体、技術、文化、政治、経済の間のつながりを示す寓話として車体スクラップを使用。性別、人種、資本主義の意味と境界を再考することにより、精神的な探求を可能にし、従来の考え方や既存の境界を打ち破る作品を創造している。
今回展示される作品では、資本主義社会における生産性と成功への社会的な圧力、人間の感情の複雑さ、そしてそんな生きづらい世界において芸術が共感と理解を促進する上で果たす役割について触れているのが特徴だ。サン・ウーとヨハネスは、両者が共有する脆弱性と信頼性の強調を通じて、しばしば断絶と分裂を感じる世界において、つながりと共感の重要性を思い出させてくれるだろう。
従来とは異なる形で現代アートへのアプローチを続ける『Galerie Supermarkt』による、神宮前初の展覧会。国境を超えて新興芸術家を発掘し、プレゼンテーションしていく気鋭のギャラリーで、最先端の現代アートを体感しよう。
■概要
Welcome to my melancholy
開催日:2023年6月3日(土)〜7月9日(日)
時間:11:00-18:00
場所:Galerie Supermarkt
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-12
>>EDITOR’S VOICE
Galerie Supermarktから歩いて約6分の場所にあるNANZUKA UNDERGROUNDでは、アメリカ人アーティスト、ケニー・シャーフの個展「I’m Baaack」が開催。日本初公開となるインスタレーションを発表する。言わずと知れた有名アーティストの貴重な作品群をお見逃しなく!
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
神宮前に『Galerie Supermarkt』がオープン!サン・ウー・キムとヨハネス・ボシシオによる展覧会が開催中
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-12
- 営業時間
- 11:00-18:00
- 定休日
- 不定休
- 開催期間
- 2023年6月3日(土)〜7月9日(日)