街のシンボルをみんなの力で助けよう
今年で開館30周年を迎える、現代アートの私立美術館「ワタリウム美術館」。新型コロナウイルス感染拡大の影響による来館者数の減少に対し、クラウドファンディングを実施中。開始して4時間で目標額の500万円を達成。その後も支援者数は増え続け、2020年9月2日時点では1,461万円以上集まっている。
「ワタリウム美術館」は、1990年に開館して以来30年間、102回の展覧会を開催。アンディ・ウォーホルやキース・ヘリング、ナムジュン・パイク、ヨーゼフ・ボイスといった現代アートの旗手たちや若い日本のアーティストたちを紹介してきた。建物を手掛けたのは、スイスを代表する建築家、マリオ・ボッタ。三角形の建物の地下1〜1階がミュージアムショップ、2〜4階が展示室となっている。
そんな「ワタリウム美術館」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年3月より来館者数は例年の半分以下に減少。予約制という形で営業を続けたが、実際は開館休業状態で、週末は閉館。開催予定だったイベントは延期(のちに中止)となった。
日本の美術館の多くが国や自治体からの公費により運営されている一方、ワタリウム美術館はノー・スポンサーの個人経営のためチケット収入が主な財源。来館者数の減少は、美術館の今後を左右する危機的な状況を招いている。
展覧会をつくるには、国内外からのアーティストの招致・滞在費、作品輸送費などに膨大な費用がかかってしまう。そのため今回のクラウドファンディングによって集まった支援金は、今後の展覧会「生きている東京展」「水の波紋2021展」の制作費、美術館の運営費などに使用される予定だ。
開始して4時間で目標達成するという事実からも、多くの人に愛されていることがわかる。街のシンボル的存在でもある「ワタリウム美術館」。これからも国内外の現代美術・建築・思想など幅広いテーマを、ワタリウムの視点で表現し、街を彩っていってほしい。
※敬称略
■概要
ワタリウム美術館クラウドファンディング
開催期間:〜2020年10月30日(金)
詳しくはこちらから
>>EDITOR’S VOICE
OMOHARAREAL編集部としても、「ワタリウム美術館」を何度か取材させていただているのはもちろん、編集部一同プライベートでも訪問するなど、日々展示会を楽しみにしておりました。そこで今回のクラウドファンディングに参加し、1990年からある歴史的な美術館を応援させていただきました。今後もこの地のアートカルチャーをリードし続けてほしいと思っております!
Text:Ayaka Minoda
INFORMATION
今こそワタリウムを救え! アンディ・ウォーホル、キース・ヘリングなど現代アートを展示してきた美術館のクラウドファンディング
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6
- 電話
- 03-3402-3001
- 営業時間
- 定休日