『テラスハウス』で気づいた自分の強み
幼少期から人前に出ることに漠然と興味があったという信太は、小学生時代から養成所に通い、モーニング娘。のオーディションを受けたこともあるのだという。そして事務所に所属するきっかけを得た場所が原宿だった。
「竹下通りやラフォーレ沿いでスカウトされました。中学生くらいの時はいるだけで誰かが見つけてくれる、チャンスの街というイメージでした。3社から声がかかり、その中から選んだ事務所のオフィスも原宿でした。レッスン前後には周辺を『大都会だ……』と思いながらウロウロしたり。それから東京で会う友達もでき、少しずつコミュニティが広がっていきました」
コーヒーと出会ったのは大学時代。きっかけはサッカー選手が出版した本のなかでモデルを務めたことだった。それを介して出会った会社が、サッカー関連の事業を展開する株式会社ユーロプラスインターナショナル。同社長が別で経営していたカフェこそがLATTESTだった。当時はまだコーヒーが飲めなかったという信太だが、LATTESTで働いてみないかというオファーを受け、これもご縁だと感じ承諾したという。
「ちょっと安易ですよね(笑)。でも私はなんでもとりあえずやってみようという、なんとかなる精神で生きているので。当初はここまでハマるとは考えていませんでした。コーヒーの奥深さ、そして色々な過ごし方を演出できるコーヒーショップという空間に魅了されたんです。その素敵な空気を演出しているのがバリスタだし、接客の面白さにも気付きました」
大学を出てからは、同じ会社が経営するサッカー選手のエージェント会社に就職。フットサルのポータルサイトの運営や、記事制作、企画イベントを手伝ったりしていた。信太にしかできない仕事に信太もポジティブに取り組んでいたという。そんな信太に転機が突然やってくる。
「たまたま遅めの15時くらいにランチに出たら、帰りに横断歩道ですれ違った人から声をかけられたんです。『今オーディションをやっていて、すぐディレクターに会わせたい』と。それが『テラスハウス』のオーディションでした。事情を会社に連絡して、財布と携帯しか持っていない状態で付いていきました。すぐ戻らないといけないから、履歴書もないまま1番最初に面談して帰りましたね(笑)」
丸腰の面接だったが手応えはあった。その勘は当たり、3日後には『テラスハウス』に参加したという。登場時の肩書きは「22歳・会社員」。しかしフックになったのはバリスタとしての一面だった。番組終了後は会社からも「表に出てくれた方がありがたい」と言われ、再びLATTESTで働くように。気づけばコーヒーが自分のアイデンティティになっていた。
「たぶん、ただの会社員やモデルだったら声をかけられていないです。バリスタを数年やっただけだけど「この子は面白い」と思われるフックになった。『テラスハウス』に出演したことで『これは強みなんだ』と気付いたんですね。シンプルに好きだし、夢中にできることだから本当に感謝です。二足の草鞋だと言われるかもしれませんが、好きなことに正直になってもいいのかなと。
これからも『LATTEST』をお店として応援してくれるお客さんが増えてくれたらいいなと思っています。個人的にチャレンジしようと思っているのは焙煎。まだ趣味の領域ですが、焙煎機も買いました。自分の選んだ豆を焙煎して卸売できたらなと考えています」