ル・ベスべ(Le Vésuve)/青山の街に根を張る、情熱の薔薇
(2022/09/08)
南青山7丁目、表参道駅と広尾駅のちょうど中間あたりに位置するフラワーショップ。六本木通りから一本裏手の路地に佇み、鬱蒼と生い茂った緑に囲まれた外観は、花屋とは思えないほど景観に溶け込んでいる。道から中の様子がほぼ見えないため入りずらさはあるが、一歩中に入れば花の良い香りと、色ごとにきちんと並べられたたくさんの花たちに思わず顔がほころんでしまう。
駅が近いわけでもなく、通り沿いのわかりやすい場所にあるわけでもない。青山の花屋というと、ちょっと立ち入りにくいくらいのスタイリッシュな花屋を想像するかもしれない。しかし、ル・ベスべにはある種の洗練された青山らしさと、通りかかった近所の人と気さくに会話を交わす、“街の花屋”的な身近さが同居しているのが魅力だ。代表の松岡龍守さんいわく「疲れない程度のちょうどよいカッコ良さ」をコツコツと積み上げているんだとか。その飾らない自然体な振る舞いがとてもカッコ良いと思えた。
松岡さんとフラワーデザイナー・高橋郁代さんによってオープンしたル・ベスべは今年で開業から25年を数える。花本来の自然な色を活かしたグラデーションのような色彩感覚と、花の“旬”を大切にしているという。「彼女の花は、すごかったよ。花が好きで花からも愛されていた気がする」と、松岡さんが語るほど高橋さんの花は人々を魅了した。高橋さんが逝去された今でもその技術と感性はスタッフへ受け継がれ、松岡さんは高橋さんの花への情熱を伝え続ける。
店名は「ルベジューブ」というオールドローズのフランス語読みから付けたそうだ。ル・ベスべにとってバラは花の女王で、創業当初から力を入れている花である。店も花も、その魅力は今なお色あせることなく、マイペースに青山の街に根を張っている。
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL 編集部
駅が近いわけでもなく、通り沿いのわかりやすい場所にあるわけでもない。青山の花屋というと、ちょっと立ち入りにくいくらいのスタイリッシュな花屋を想像するかもしれない。しかし、ル・ベスべにはある種の洗練された青山らしさと、通りかかった近所の人と気さくに会話を交わす、“街の花屋”的な身近さが同居しているのが魅力だ。代表の松岡龍守さんいわく「疲れない程度のちょうどよいカッコ良さ」をコツコツと積み上げているんだとか。その飾らない自然体な振る舞いがとてもカッコ良いと思えた。
松岡さんとフラワーデザイナー・高橋郁代さんによってオープンしたル・ベスべは今年で開業から25年を数える。花本来の自然な色を活かしたグラデーションのような色彩感覚と、花の“旬”を大切にしているという。「彼女の花は、すごかったよ。花が好きで花からも愛されていた気がする」と、松岡さんが語るほど高橋さんの花は人々を魅了した。高橋さんが逝去された今でもその技術と感性はスタッフへ受け継がれ、松岡さんは高橋さんの花への情熱を伝え続ける。
店名は「ルベジューブ」というオールドローズのフランス語読みから付けたそうだ。ル・ベスべにとってバラは花の女王で、創業当初から力を入れている花である。店も花も、その魅力は今なお色あせることなく、マイペースに青山の街に根を張っている。
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL 編集部