キラー通り沿いにある
ワタリウム美術館の二軒先にひっそりと佇むのは、写真集専門店「Shelf」。1994年11月から26年間、この街を見守り続けている老舗だ。
本棚には、海外の写真集をメインに、インディペンデントに作られた国内の写真集も。話題の新刊写真集から稀少な絶版本まで揃っている。次から次へと手にとって見てみたくなりあっという間に時間が過ぎてしまうのは、ストーリー性のある棚づくりが理由かもしれない。「流れがあると好きなものも見つかりやすいのでは」という店主曰く、ストリート→旅→風景など、連想ゲームのようにジャンルを少しずつ関連づけることを意識して並べているそう。このお店が長い間愛されているのは、こういった細やかな気配りが理由なのかもしれない。
元々はファッションビル内でビジュアル洋書を扱っていた店主だが「NYやパリの路面店を見て歩くのが好きで。そんな感覚で街歩きの途中に寄ってもらいたい」と念願叶って路面店としてオープン。では、この場所を選んだ理由は? 「デザイン事務所も多くクリエイターの集まる場所だから」とのことで、実際に写真家、デザイナー、ヘアスタイリストなどが多く訪問するという。このお店は、インスピレーションのソースとして、この街のクリエイティブを支える役割を担っているのだろう。
写真集を楽しむきっかけは「このビジュアル好きかも」で良いのだという店主。「Shelf」でお気に入りを見つけて自分の“本棚”にも揃えてみては。
Text:Ayaka Minoda
Photo:Yuki Maeda