時代に超えて愛されるファッションの輝き:飯田淳@Café Madu
イラストレーター 飯田淳さんが描く女性は、どこか古くも懐かしくも感じる、輝かしい女性ばかりだ。
今回、青参道アートフェアで展示されるイラストレーションのテーマは「My Ex-girlfriend; gone, but the sweet memory live on」。昔付き合っていて、今は甘い思い出だけが残る女性「My Ex-girlfriend」が描かれている。
トレンドはどんどん移り変わるけれど、変わらないもの。作品のイラストレーションには、時代に取り残されることのない、まばゆい閃きの源泉が、ところ狭しとスクラップノートのように描き込まれている。
ハイブランドからカジュアルブランドまでのロゴデザイン、テキスタイル、イラストレーションを手がける飯田さんの、ファッションとの向き合い方が濃縮されているよう。どこか懐かしい感覚を与えてくれると同時に、ファッションの楽しさを再認識させてくれるだろう。
憧れを纏った絵の中のランウェイ:茶薗大暉@エポルーム
1917年創業の革製品の老舗ブランドの旗艦店であるエポイルーム。ここで展示される予定のペインター・茶薗大暉さんの絵画は、ファッションに興味を持つ人であれば、きっと目が吸い寄せられるだろう。
茶薗さんは、2014年よりアトリエライプハウス(東大阪市)にて制作活動を行っている、1994年生まれの若きペインターだ。
「イヴ・サンローラン」「サカイ」など、ハイブランドの名がそのまま付けられた同氏の絵画には、ファッションが持つ華やかさと美のバランスが写真以上に強調されているように思える。ファッションに対する強い関心があるという同氏の憧れがこの絵に詰まっているようだ。
今回は、これら「Runwayシリーズ」の絵画のほかに、ファッション雑誌からインスピレーションを受け描いた「Drawingシリーズ」の展示が行われる。ファッションショーをしているような、絵の中の容姿端麗なモデルたちの姿を、ぜひ会場でご覧いただきたい。
プロセスを表現する建築出身アート:キムテボン@JAMIN PUECH
青参道アートフェアの中でもキムテボン氏が展示する作品は、もしかすると少し異色かもしれない。展示されるのは、立体アートのほか移動式カウンターなどの建築をベースとした作品とのこと。様々なマテリアルが組み合わさり、そのプロセス自体をもアートに昇華する。
キムテボン氏は、著名建築家を多く輩出しているロンドン・AAスクール卒業後、建築事務所を経て現在の活動に至るアーティスト。これまでにも、サイトスペシフィックなインスタレーションや触って遊べる体験型アート作品を発表している。
今回の青参道アートフェアに展示する作品の制作過程として、上記のような写真をいただいた。コンクリートや石膏の破片と、なんらかの構造物は、この写真を見ただけだと何のパーツか全く検討もつかない。
こうやって、不思議を頭に浮かべることもきっと体験のひとつなのだろう。アートフェアの当日、これらがどのような作品になっているのか、この目で確かめるのが楽しみでならない。
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