Goldwin Harajukuとともに表参道・原宿シティハイク!写真が繋ぐ過去と現在から、街の未来を想う
常に「最新」をまとい、目まぐるしいスピードで新陳代謝を繰り返す表参道・原宿の街。街の姿は変わってもかつてこの街を歩き、日常を過ごした人々の確かな「記憶の歴史」が存在している。
2026年3月21日(土)と22日(日)の2日間、「株式会社ゴールドウイン(Goldwin)」の直営8店舗にて、合同イベント『Mutual(ミューチュアル)』が開催された。「互」という言葉をキーに、人や場、物との関わりを通じてこれからのライフスタイルや「豊かな生活」のあり方を共に創り上げるというコンセプトのイベントだ。
この取り組みの一環として我々、表参道・原宿のローカルメディア「OMOHARAREAL」は「Goldwin Harajuku」とコラボレーション!Goldwin Harajuku主催の元、編集部員がゲストガイドとして参加し、街の記憶と歴史を辿る、特別な街歩きイベント「historical exploration」を実施した。

その名も「historical exploration」。言うなれば歴史の探求・探訪だ。つまり今回行うのは「表参道 / 原宿の昔の写真」をもとにしたタイムトラベル散歩というわけ。
OMOHARAREALで配信されている「オモハラみんなのフォトアルバム」や「INTERVIEW」にアーカイブされた提供者たちの写真とエピソードとともに、街を巡った2日間の模様を空気感とともにアーカイブとして記録したい。

記憶のレイヤーをめくる90分間の旅の始まり
両日ともに晴天に恵まれた週末。朝9時の時点でまだ人出はまばらだ。この静寂と街の穏やかな表情はこの時間だけの特別なもの。
出発地点である「Goldwin Harajuku」に集まったのは、20代の若いカップルから、かつてのオモハラの街をよく知るシニア世代まで、実に幅広い面々だった。誰もが、見慣れたはずの街がどう変わって見えるのか、期待に胸を膨らませている様子に我々も嬉しくなった。

特に1日目は、「オモハラみんなのフォトアルバム」に当時の貴重な写真や、今回のイベント用に店頭でも展示された「原宿セントラルアパート」の写真を提供してくれている、ご本人が参加してくれたことは我々にとってもこれ以上ないサプライズ。胸が熱くなった。用意した資料と歴史の解説だけでなく、その時代を生きた当事者の声とともに街を歩くという、贅沢なナラティブ(私的な歴史語り)・ツアーを実現することができた。
Goldwin Harajuku前に集合した一行はまず、表参道・原宿の街の象徴である「神宮前交差点」を見渡す。街の顔であり玄関口。最初にしてハイライトとなるこの場所には多くの文化・歴史的に重要なスポットがある。「東急プラザ表参道(オモカド)」、「東急プラザ原宿(ハラカド)」はそれぞれかつての「オリンピアアネックス」原宿セントラルアパートだ。どんな場所だったかを資料の写真とともに解説していく。

工事中のラフォーレや、建て替え中の八角館ビル、原宿セントラルアパートの写真と、今の姿を見比べながら熱心に耳を傾けてくれている様子。資料には「オモハラみんなのフォトアルバム」記事に直結するQRコード付き。参加者には後からでもじっくり読んでもらえるようにした。

そこからオモカド側に渡って、表参道を青山方面へと歩みを進める。原宿セントラルアパート1F部分にあったクリエイター御用達のカフェ「レオン」や、ブランド「MILK」が映った写真が、現在の表参道の風景と重なり合う。

そして「ラルフローレン表参道」前の広場。キャットストリートにかつてたくさん遊具が設置してあり、地域の憩いの場だった様子を我々が解説すると、参加者たちは興味深そうに耳を傾けていた。また、未だ残る石の親柱に、暗渠化する前は川に架かる橋だった名残りを感じられるのもポイントだ。

そのまま直進して「表参道ヒルズ」へ。表参道ヒルズの場所には、2003年に解体されるまで「同潤会青山アパートメント」があった。

1927年の竣工当時最新のモダンライフを象徴する建物だったことや、もともと1923年に起きた関東大震災の復興事業として各地に作られており、鉄筋コンクリートだったことから1945年の山手空襲の戦火からケヤキを守ったことなど、この場所にまつわる話は枚挙に暇がない。

蔦の絡まる古き良きアパートメントの姿を知る参加者も。世代を超えて街の記憶が共有される、温かい時間が流れていた。

まい泉通りからキラー通りを抜け、VANとGoldwinへ 受け継がれる物語
表参道の緩やかな坂を上り、神宮前第二歩道橋下、伊藤病院・Apple Store付近へ。今や最新のデジタルデバイスを求める人々で溢れるこの場所も、かつては全く異なる雰囲気が漂っていた。
我々は千代田線工事で灯篭が移設されていた古写真を提示し、ただの「通り道」だった場所を「誰かの思い出の場所」として現在に接続する。

一行は、賑わうメインストリートから一本裏道へと足を踏み入れる。向かったのは「まい泉通り」、正式には「原二本通り(原宿二丁目本通り)」。現在住所からはなくなってしまった原宿の地名(1965年に神宮前に統合)を地元商店会が愛を持って残している通りでもある。

通りの愛称としても親しまれ、歴史とともにその代表各とも言える存在感を放つまい泉。元々は銭湯だった話は有名で(運営は別業者)、現在もその意匠を旧館に見ることができるが、実際に初めて知る人も多い。原宿という街が持つ歴史の奥深さをわかりやすく感じられるスポットと言ってもいいだろう。

表参道の華やかさとは一線を画しながらも、まい泉通りは人気の飲食店がひしめくエリアだ。
カフェカルチャーのパイオニア、「ロータス」前
さらに歩みを進め、「ワタリウム美術館」の個性的な建築を見上げる。かつてのギャルリーワタリだった頃の写真を見ながら、写真を提供してくれた和多利恵津子館長、浩一代表の姉弟がインタビューで写真とともに語ってくれたキース・ヘリング来日時の熱狂を伝える。この街において、ワタリウム美術館が最先端のアートの発信地として担ってきた役割を再確認。なにより小さなギャラリーから地下1F、地上5F建ての私的な美術館として変貌しているそのスケールに圧倒されたのではないだろうか。

そこからキラー通り(外苑西通りの一部)を青山方面へ抜け、 一行は「南青山3丁目交差点」へ辿り着く。ここはかつて、1970年代の日本にアイビーファッションを根付かせ、隆盛を極めたアパレルブランド「VAN」本社があった場所だ。南青山3丁目交差点から青山通り沿いの周辺は当時“VANTOWN”と称されるほどに、関連施設が点在していた。ワタリウム美術館の和多利姉弟も、街行くVANスタッフのスタイリングを見て季節の変わり目を感じていたという話を伝えつつ、本企画のひとつのゴールとも言える「Goldwin本社前」を目指す。

現在はもうその姿を見ることができないが、巨大な公団アパートだった第一青山ビルの建て替えを横目に「緑豊かな公園を作る計画があるらしい」とこれも和多利姉弟のインタビューで聞き及んだ内容を話すと、「この辺に住んでいて、ランニングをしてるから公園ができたら嬉しい!」と参加者たちから歓迎の声が。どのような姿で街に現れるのか、楽しみな場所である。

道端に咲く植栽の花も咲き始めた季節。実は建物だけではなく欅の芽吹きだったり、視点をどこに置くかで自然の移ろいを感じることができる
Goldwin本社前に到着。スポーツアパレルを通じて人々の生活を豊かにしてきたGoldwin。実はここはVAN本社別館356ビル、そして1Fには文化施設の「VAN 99ホール」があった場所なのだ。イベント当日、Goldwin Harajukuスタッフの方に聞いて我々編集部も驚いたのだが、VANからアウトドアブランド「THE NORTH FACE」の代理店事業を引き継いだ会社こそ、他ならぬGoldwinなのだそう。

そしてGoldwinが現在の北青山(青朋ビル)に移転したのは2024年のこと。VANからの「THE NORTH FACE」継承は現・社長である渡辺貴生氏しか知らないような話であったが、VANがあった場所に本社移転したのは全くの偶然だという。なんという数奇なエピソードだろう。
「99ホール」同様に本社1F部分では時期によってさまざまなイベントや展示を行っており、一般の人も見ることができるようになっている。これも果たして偶然なのだろうか。VANからGoldwinに継承されたのは事業だけではなく、文化発信の役割も同時に引き受けていたと捉えると、なんだか素敵な話ではないか。
歩いた街の余韻を、コーヒーとともに味わう

Goldwin本社から表参道交差点へ。来た道とは逆側から再び「Goldwin Harajuku」へと帰還する。表参道が整備された1919年から、戦火の悲劇を乗り越え、この地を見守り続ける石灯籠、表参道エリアに武家屋敷が広がっていた時代の趣を残すエルメス表参道店(神宮前太田ビル)の石垣、かつてのGYREやキディランド、富士鳥居、表参道の時間の流れを改めて感じながら。
約1時間30分ほど、距離にして3.5kmほどの街歩きだが、脳内を駆け巡った時間の旅は、濃密な疲労感と充実感をもたらしていた。店舗に戻ると、出迎えてくれたのは、国内最大級のスペシャルティコーヒーのプラットフォーム「PostCoffee(ポストコーヒー)」によるコーヒーサービスだ。今回のツアーのヒントとなったOMOHARAREALに提供してくれたアーカイブ写真のパネル展示とともに、心地よい香りが店内を包み込む。

コーヒーを片手に、参加者たちは自然と輪になり、言葉を交わし始めた。
「ここが、もともとこんな風な場所だったなんて知らなかった」
「あの場所はずっと昔からあって、建物自体はそのままで外見だけ変わっている」
「何度も通ってきた道なのに、全く違う道に見える」
店内には、さまざまな嬉しい感想が飛び交っている。20代のカップルとシニア世代が、一杯のコーヒーと数枚の古い写真を介して回った場所を振り返りながら、表参道・原宿の街について語り合っている。これこそが、我々OMOHARAREALと主催のGoldwin harajukuが目指した風景そのものだったのではないだろうか。

街は、そこに建つビルや舗装された道だけでできているのではない。そこを行き交い、生活を営んできた人々の「個人の記憶」が積み重なって、初めて一つの街の輪郭が形成される。
「Mutual(互)」のコンセプトのもと、我々OMOHARAREALがゲストガイドとしてGoldwin Harajukuと共創したこの小さなタイムトラベルは、過去を懐かしむだけのものではない。先人たちが残した記憶を「ストック」し、今を生きる私たちがこの街をどう歩き、どう未来へ繋いでいくのかを問いかける、静かだけれど確かな一歩だったように思う。
私たちが歩く原宿・表参道の歴史の地層の上には、これからも無数の物語が積み重なっていくことだろう。

■ゴールドウイン 原宿(Goldwin Harajuku)
住所:東京都渋谷区神宮前6-10-12 Citta神宮前1F
営業時間:11:00-20:00
電話:03-6419-7920
定休日:なし
URL:Goldwin Web Site
■Mutual
開催期間:2026年3月21日(土)・22日(日)
開催店舖:
Goldwin Harajuku
THE NORTH FACE Mountain
THE NORTH FACE STANDARD
THE NORTH FACE 3(march)
HELLY HANSEN 原宿
THE NORTH FACE kids 原宿
THE NORTH FACE ALTER
THE NORTH FACE Sphere
Photo:OMOHARAREAL編集部
Text:Tomohisa Mochizuki



























