青参道を彩ってきた路地裏のアートフェア
このように2016年も楽しいイベントになりそうだが、これまでどのように青参道をアートで彩ってきたのだろうか。青参道の秋の風物詩となった「青参道アートフェア」を、初開催となった2007年から辿ってみたい。
青参道アートフェア2007
初開催である2007年には国内外のアーティストやアートフェア参加者、参加店舗の人など多くの人々が「H.P.DECO」のレセプションパーティーに集まり賑わった。ハロウィンの時期であったこともあり、ちょび髭をつける人の姿も見える。この青参道アートフェアの開催をきっかけに、店舗同士での関わりも増えていった。青参道へ行くと、その連帯感のようなものをきっと感じられるだろう。
青参道アートフェア2008
「歩き慣れた大通りから、路地へ入って寄り道を」をテーマに、大山エンリコイサム as OEIL、MARIANA CORTÉS、anamachy painting、佐原和人、永岡大輔など、国内外問わず様々な分野で活躍するアーティスト25組が参加。壁画や絵画を中心にライヴ・パフォーマンスを行う有名アーティスト・大山エンリコイサム氏は、参加店舗の塀に巨大なキャンパスをくくりつけて、路上ライブペインティングを披露していた。このように、開催当初から実力があるアーティストが多く参加していたのも青参道アートフェアの特徴だ。
青参道アートフェア2009
出典:7 strings
青参道アートフェアディレクター・戸塚憲太郎氏による会場ツアーや、青参道にやってきて1周年を迎えたセレクトショップ「Wut Berlin」でアーティスト・大川正太氏の個展も行われた。「Wut Berlin」のディレクター・Yannがこの展示の数年前に彼の作品に出会い一目惚れしてアートフェアでの展示が実現したという。このように、お店側が好きなアーティストをセレクトすることがあるこのイベントでは、店の雰囲気とアート作品がハマっている場合が多いので、そこも注目ポイントだ。
青参道アートフェア2010
この年は青参道にとどまらず、表参道ヒルズやラフォーレ原宿、キャットストリート、渋谷神南一丁目とエリアを拡大した。青参道アートフェアを運営しているアッシュ・ペー・フランスが誕生した場所である「ラフォーレ原宿」では、ファレル・リアムスのMVを手がけたこともあるクリエイター・ファンタジスタ歌麿呂による「LAFORET MEETS WALL」というアート作品が展示された。ファッションデザイナーでもある彼のカラフルな服が壁一面を賑やかした姿は、原宿カルチャーの発信地にも名を刻んだだろう。この年は、アートフェアの生みの親が外旋帰国を果たした年と言えるかもしれない。
【次のページ】>>青参道アートフェア2011〜青参道アートフェア2015