祝「FNO」10周年! 表参道&原宿がファッションの気配に染まる、世界に誇るべき夜
2018年9月15日。ファッション誌『VOGUE』が主催する街一帯を巻き込むファッションイベント「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2018」(通称「FNO」)が開催された。東京開催は2009年に始まり、今年で10年目。表参道・原宿・青山エリアを中心とし、参加ブランドは600以上、訪問者は約30万人、総売上は約100億円とも言われる巨大な祭典に成長している。
オープニングセレモニーが開催されるメイン会場は表参道ヒルズ
『VOGUE』に登場するラグジュアリーブランドはもちろん、その他にもストリートブランド、ヴィンテージブランド、ヤングブランド…様々なブランドがジャンルの垣根を超えて「FNO」を合言葉に一体となる。そして、その祭典の空気を吸うために、年齢も人種も趣味も価値観も異なる様々な”ファッション好き”がこのエリアに集結する。こんな"多様性"を感じられるファッションシーンは、世界中のコレクションやファッションウィークを見渡しても、そうそう見付けることはできないはずだ。そして、この類稀な世界観が実現している背景には、常に新たなカルチャーを拒否せずに受け入れ、既存のカルチャーと共存させてきた、この街の不思議な歴史が存在することも間違いないだろう。
LOUIS VUITTONの花柄ドレスで登場した冨永愛さん
VALENTINOのシースルードレスで登場した福士リナさん
ASHISHAのスパンコールドレスで登場した水原佑果さん
PRADAのネオンカラードレスで登場したAMIAYAさん
GUCCIと自身がプロデュースするPUNYUSをミックスして着こなした渡辺直美さん
DOLCE&GABBANAのタイトドレスに身を包み登場したローラさん
ASHISHAのスパンコールドレスで登場した水原佑果さん
PRADAのネオンカラードレスで登場したAMIAYAさん
GUCCIと自身がプロデュースするPUNYUSをミックスして着こなした渡辺直美さん
DOLCE&GABBANAのタイトドレスに身を包み登場したローラさん
GUCCIと自身がプロデュースするPUNYUSをミックスして着こなした渡辺直美さん
DOLCE&GABBANAのタイトドレスに身を包み登場したローラさん
また、FNOは「ファッションによる社会貢献」を目的のひとつに掲げており、チャリティー企画も多数行われている。これは、US版『VOGUE』編集長・アナ・ウィンター氏が、9.11同時多発テロで停滞していた経済を盛り上げるべく『ファッションで世の中を明るくしたい』と世界中に呼びかけたことを起源とするFNOのアイデンティティとも言える。一方、この街では近年、フードロスやエコなどをテーマに掲げながら、ファッション・カルチャー性も高く備えるイベントが活発化しており「クールに等身大の社会貢献活動ができる街」という顔を持ち始めている。そこには様々な要因があれど、FNOが10年間継続してきた取り組み、その精神と、無関係ではないだろう。
『VOGUE JAPAN』編集長・渡辺三津子さんを中心に
難しい話はさておき、この一夜は、街中のアパレルブランドがシャンパンを配ったり、店内でDJイベントやショーを行ったり、飲食店がスペシャルメニューを提供したりと、普段の表参道・原宿とは一味異なる賑やかな時間となる。今年参加できなかった方は、来年こそ参加してみては?
「ファッションイベント」の枠を超えて、自分が生きる世界・社会について考える機会を与えてくれる祭典・FNO。これからより多様性が増し、世界からの注目度も上がる表参道・原宿を舞台に、どのようなメッセージを発信してゆくのか、目が離せない。
Text:Takeshi Koh
Photo:Hiroaki Noguchi