異なる「環世界」を生きるもの同士が出会う
ワタリウム美術館 B1Fのオン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで、市川詩織による個展「small events」が、2026年3月22日(日)まで開催中。
市川詩織は1993年生まれ。動物と人間の関係をペインティングやドローイング、シルクスクリーン作品で制作するアーティスト。東京藝術大学美術学部 油画専攻を経て、同大学院 版画研究分野を修了。国内での個展に加え、中国やスロバキア、ポーランドでのグループ展など、国外でもその作品を披露している。
すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、それを主体として行動しているとする「環世界」という生物学の概念がある。人間にとって普遍的な時間や空間でも、動物にとってはそれぞれ独自の時間・空間として認識される。その行動は各動物で異なる知覚と作用の結果であり、それぞれに動物に特有の意味をもってなされる。
本展では、2019年から2025年に制作されたシルクスクリーン版画を展示・販売。市川の描くドローイングや欧米のカトゥーンを思わせる版画作品は、人間の影響を受けて変化していく生き物たちをモチーフとすることで、異なる「環世界」を生きるもの同士の、時にノンセンスで時にユーモラスな出会いを提示する。
「人間の影響を受けて変化していく生き物たちを描くことで、自分達が抱える問題を客観的にみることはできないか。また、言葉を持たないそれらの生き物の情動を探る時のように、多様な価値観を持って議論し、問題と向き合うことはできないか。そのような問いかけを、糾弾ではない方法で行うことを自身の制作の課題としています」(市川詩織 ステートメントより)
人と人との間でさえ、育った環境やさまざまな要因によって、普通とされることは異なり、ものごとの捉え方も全く変わる。私たちにいつも多角的な視点を与えてくれる表参道 / 原宿の街で、市川が描き出す懐の深い表現に触れ、自身を俯瞰する時間を過ごしてみてはいかがだろう。
■画像
抱き上げの法則-1 無のハト
2025 ©Shiori Ichikawa / Courtesy ON SUNDAYS
■市川詩織|small events
開催期間:
2026年2月15日(日)〜3月22日(日)
開催場所:
オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリー
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
ワタリウム美術館 B1F
電話番号:03-3470-1424
開館時間:11:00-20:00
休廊日:会期中なし
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ワタリウム美術館では、20世紀を代表するアーティスト ドナルド・ジャッド の展覧会「ジャッド|マーファ展」が開催中。メキシコにほど近いテキサス州の「マーファ」に移住し、街を舞台に「恒久展示(パーマネント・インスタレーション)」というアイデアを展開したジャッド。彼が愛した「マーファ」、そこに残した空間について、数々の資料も合わせながら紐解いてみてください。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
ワタリウム美術館 B1Fで 市川詩織による個展『small events』が開催 生物学の概念「環世界」が題材
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6渋谷区神宮前3-7-6
- 電話
- 03-3470-1424
- 営業時間
- 11:00-20:00
- 定休日
- 会期中なし
- 開催期間
- 2026年2月15日(日)〜3月22日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター

























