表参道ケヤキ並木|紅葉、そしてイルミネーション!表参道の象徴的なケヤキ並木を数えてみたら、あらためて感謝の気持ちが湧いた
すっかり気温が下がり、街に吹く風もひんやりしてきた。ということは紅葉も進んで、ケヤキ並木の紅葉シーズンが到来!さらに12月にはイルミネーションで光輝く、1年を通じてもっともケヤキ並木に注目が集まる時期がやってくる。
毎日表参道・原宿にいる人にとっては当たり前の景色だが、ふと、このケヤキ並木って何本あるのだろう?と疑問が浮かんだ。

便利な世の中になったもので、大体はAIに聞けば教えてくれる。
というわけで調べてみました!まずはAIにちょいちょいっとリサーチをかけてみる。原宿駅前から表参道交差点まで、約1.1kmの区間にわたって続くケヤキ並木の現在の数は163本もしくは155本!とのこと。だいぶ誤差があるけど、ほんとかあ?

「効率の良い数え方はある?」と聞きそうになったが、せっかくだから街並を楽しみつつ、実際に1本1本数えて実際の数を明らかにしようじゃないか。
仮に左右に2本づつ、同じ間隔で植えられていると想定しても、163本もしくは155本だと割り切れない。これは本当にひとつひとつ数えなければなるまい!
紅葉真っ盛りの表参道、スタートは「九州じゃんがら原宿店」前のケヤキから。

地道に歩きながら一本一本数えていきます。とはいえ一辺に数え切れないので、目印となる区間のケヤキの本数を数えてはメモ。この繰り返し。

原宿駅から表参道ヒルズ、表参道交差点、そこからみずほ銀行(現在建て替え中)•GUCCIが入る青山パラシオビル側に渡り、数えていく。やはり同じ参道でも左右対象では全然ないし、ケヤキの太さも大きさもまるで違うことがわかった。

計2.2キロ、再確認のための区間往復で+1キロくらいか。およそ3キロを行ったり来たり数えた結果、157本のケヤキが参道に植えられていた!

ちょい待ち。当初調べた公称本数より2本多くない?というのも、沿道だけじゃなく「ラルフローレン表参道」前の交番横にもケヤキが2本あるのだ。それも含めての157本。その2本を除くと、ちょうど155本!2025年11月現在、表参道には155本のケヤキが植えられていることがわかった。

この並木は、1920年(大正9年)明治神宮の建立に伴い、参道として整備されたもの。当時まだ街に残っていた武家屋敷や、住宅、歩道の防風林として明治神宮建立の翌年、参道の両側に201本のケヤキが植樹された。

しかし、1945年(昭和20年)、太平洋戦争中の「山の手空襲」で数本(約7本〜13本と言われている)を残して焼失してしまう。その後、1948年から翌年にかけて地元造園業者を営む有志の方々が中心となって私財を投じ、補植を行ったそう※。その地元造園業者というのが、「春日造園」という会社で、代表の春日時太郎さんとその甥、加勢俊雄さんによっておよそ2年の歳月をかけて現在の並木が復元された。
加勢さんはその後1951年に「加勢造園」を創業、現在千駄ヶ谷に本社を置く「加勢造園株式会社」の前身となる「加勢造園有限会社」を1957年に設立している。
記事制作にあたり、問い合わせをした加勢造園株式会社のコーポレートサイトには「未来を想像し、景観を創造する」というキャッチコピーが出てくる。当時の加勢さんのその精神こそ、今の表参道ケヤキ並木の景観を守り、今日まで支えてくれているような気がしてならない。
※「明治神宮戦後復興の軌跡」(今泉 宜子 編/鹿島出版会 発行所 出版者:明治神宮社務所):2 代々木の杜再生秘話 復興を支えた心意気 「焼けた並木を復活させよう」未来を信じて欅を植え、表参道を甦らせた造園の先達(加勢造園株式会社)より
ちなみに焼け残った数本、というのが「青山同潤会アパートメント」跡地前(現在は表参道ヒルズ)に植えられていたケヤキたちと言われている。確かに幹が太いものが何本かあって、よく見ると全然違う。

詳しくはOMOHARAREALのコラムを参照してほしいが、青山同潤会アパートメントは実は1923年に起きた関東大震災によって、大規模な火災が起きたことから建てられた、言わば震災復興アパートなのだ。
防火対策がなされた当時は珍しい鉄筋コンクリートづくりだったため、「山の手空襲」で投下された焼夷弾の熱風からケヤキを守る防火壁の役割を担ったそうだ。

もし戦争ですべて焼失してしまっていたら。夏は参道の日除けとなり、秋から冬にかけては紅葉やイルミネーションで楽しませてくれるケヤキ並木はなくなっていたかもしれない。そう思うと戦後、ケヤキ並木を復活に尽力した春日造園の春日時太郎さんと加勢俊雄さん、さらに現代まで並木を保全しつづけてくれた「原宿表参道欅会」、都や区の行政機関、関連業者には心から敬意を表したい。

実際に数えてみて、表参道のケヤキに対してより親近感と感謝の気持ちが湧いた次第だ。いよいよ12月1日(月)からは「表参道フェンディイルミネーション」がスタートする。点灯式のプレゼンターも毎年注目されるが、そんな表参道イルミネーションの歴史も合わせてチェックしてみてほしい。

Text :Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL編集部
- マネージャー
- 望月トミー智久
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