サンゴ礁の構造やパターンがモチーフ
神宮前5丁目・tHE GALLERY OMOTESANDOにて、米原康正キュレーションによる、JR CHUO(ジェイアール・チュオ)個展「System of Escape」が開催される。2025年11月7日(金) ~ 11月30日(日)まで。
JR CHUO は、社会に潜む「仮面」や「表層」をテーマに、現実の厳しさを繊細な紙の線で切り出すペーパー・カットアーティスト。日本の伝統的な「伊勢型紙」の技法に影響を受け、数千にも及ぶ手作業の切り込みによる複雑で緻密な構造を生み出す。
気候変動により深刻な被害を受ける「サンゴ礁の生態系」に関心を向ける JR CHUO。本展では、環境の変化に応じて形を変え、漂いながら生きるサンゴ礁の構造やパターンに着想を得た作品を披露。——温暖化する海を逃れるように北へと漂うサンゴ。地下深くに避難所を築く富裕層。都市の地下を走る地下鉄。それぞれの営みに、制御された「逃避の鼓動」を見出す。
「私にとって、ひとつひとつの切り込みは呼吸であり、静かな抵抗の行為でもあります。自然、人間、都市、そして制作。それらに共通する繰り返しのリズムの中で、パターンは生存のかたちとなり、やがて、私たち自身が作り出したシステムでさえ、その内側で解放を夢見るようになります。本展は、制御と崩壊、秩序と解放のあいだに揺らめくかすかな均衡を見つめています。」(JR CHUO ステートメントより抜粋)
「彼の作品は、都市の地下鉄路線図のように秩序だった構造を持ちながらも、内側には有機的な温度を宿している。その形式的な整然さと、サンゴ礁が放つ生命の色彩との対比こそが、CHUO作品の本質である。特に、白化寸前のサンゴが最後に放つ蛍光のような色彩は、彼にとって『死の瞬間にこそ現れる美』の象徴である。」(キュレーター・米原康正 コメントより抜粋)
「System of Escape」は、私たちを形づくるあらゆるシステムの中で、いかにして自由を見いだすのかという問いから始まる。都市を象徴し、均衡の取れたように見える表参道の街も、"秩序が形作られ、そしてまた壊される"。そんな急速なサイクルの中に在ることを、JR CHUO の作品群から感じ取れるはず。
■概要
JR CHUO個展 “System of Escape”
開催期間:
2025年11月7日(金) ~ 11月30日(日)
開催場所:tHE GALLERY OMOTESANDO
住所:東京都渋谷区神宮前5-16-13
SIX HARAJUKU TERRACE S棟 2F
営業時間:12:00-19:00
休廊日:月・火曜日
※11/24(月・祝)開廊、11/26(水)休廊
■オープニングレセプション
開催日時:11月7日(金) 18:00-20:00
開催場所:tHE GALLERY OMOTESANDO
入場無料・自由入場
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会場から徒歩4分。BLOCK HOUSE 2Fのギャラリーでは、 伊藤桂司による個展「楽しくなってきた It’s Getting Fun!」が開催中。"満点の星空と広がる緑の大地"、そしてそこに現れる一見キュートなキャラクターたち。その奥に描かれる、"都市の閉塞感による抑圧"と"緑への渇望"を読み解いてみて。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
tHE GALLERY OMOTESANDOで切り絵アーティスト JR CHUO 個展「System of Escape」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-16-13SIX HARAJUKU TERRACE S棟 2F
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 月・火曜日
※11/24(月・祝)開廊、11/26(水)休廊
- 開催期間
- 2025年11月7日(金) ~ 11月30日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター
































