ロードサイドの風景をストレートに描き出す
神宮前2丁目・MAHO KUBOTA GALLERYにて、富田直樹による個展『Fast-風土』が、2025年9月18日(木)〜10月22日(日) まで開催される。
富田直樹は、油絵具の色彩を一筆一筆丁寧に置く独自の筆致によって、色彩という絵画の本質的な要素から世界を立ち上げる表現で知られるアーティスト。関東近郊の風景や空きテナントのファサード、職業をもたないフリーターの若者達を主題とした瑞々しいペインティングが注目を集める。過去、同ギャラリーにて個展「東京」(2019)、「ラストシーン」(2022)を開催した。
本展では、郊外や東京の風景を描いたペインティング約10点と、富田のキャリアにおいて初となる版画作品3点を披露。日本中に同じような郊外型チェーン店や大型モールが立ち並び、便利である一方、地域固有の景観や文化が失われていく現代のロードサイドの風景を描き出す。
茨城県取手市出身の富田は、現在も同地にスタジオを構える。ネガティブに語られることがあるロードサイドの景色は、彼にとっては生活や制作の基盤となってきた環境であり、外部からは凡庸に見える場所をあえて正面から描くことで、自らが立脚してきた視点を提示し、現代をともに生きる私たちのリアルな感覚を映し出す。
また、今回の展示では「軽天」と呼ばれる鉄の構造をギャラリー内に設置。またいだりくぐったりする際に作品の裏側が見え、いつもとは異なる高さや角度で作品に視線を向けることができる。子どもの頃、路地を覗き込み思いがけず新しい景色を発見したときのように、環境と視覚的・身体的に関わりながら世界を獲得していく、そんな体験が生まれる。
富田は、夕暮れや朝焼け、雪の轍やファミリーレストランの灯りなど、生活のひと場面をトリックのないストレートなアプローチで描写する。都会を象徴する街・表参道 / 原宿にも、少し路地を入れば生活の香りが広がっているように、街の機能自体が利便的に整えられてもなお淡々と続く"人間の営み"を、作品群から感じ取ってみてほしい。
■画像
1.「夕暮れ」
2025年、181.8 × 227.3 × 4 cm、キャンバスに油彩
©︎Naoki Tomita
2.「夜雪」
2025年、145.5 × 112 × 4 cm、キャンバスに油彩
©︎Naoki Tomita
3.「ロードサイド」
2025年、91 x 116.7 x 4 cm_キャンバスに油彩
©︎Naoki Tomita
4.「夜のコインパーキング」
91 × 116.7 × 4 cm_キャンバスに油彩
©︎Naoki Tomita
■概要
富田直樹「Fast-風土」
開催期間:
2025年9月18日(木)〜10月22日(日)
開催場所:MAHO KUBOTA GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日・月・祝日
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会場から徒歩5分のNANZUKA UNDERGROUNDでは、ハロシ(Haroshi)新作個展『ABACO』が開催中。不用品となった「こけし」と使い古された「そろばんの珠」を用いた彫刻作品を披露しています。人間によるアナログな記憶が染み込んだ素材から生まれた作品群はどこか生々しく、荘厳な空間が広がります。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
神宮前・MAHO KUBOTA GALLERYで 富田直樹 による個展『Fast-風土』が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 日・月・祝日
- 開催期間
- 2025年9月18日(木)〜10月22日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター






























