3分で出来上がる魔法のシューズ!!コーヒーとともに巡る「On」の研究所

会場の2Fに案内されるとアジア初披露となる最新技術「LightSpray™」を目当てに、多くの報道陣がコミュニティスペースに集まっていた。期待値の高さがうかがえる

プレゼンテーションでは開発のドキュメンタリーや、この「LightSpray™」がいかに革新的かの説明が同時通訳で行われた。参加したことはないが、Apple本社で行われる、新商品のプレゼンもこんな感じなんだろうかとワクワク。

そして、1Fに移動。そこでは黒い布に覆われた「LightSpray™」が。この中にあるロボットによってわずか3分で片方のシューズが出来上がるという。

On 共同創業者 兼 執行役員であるオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)のカウントダウンでいよいよ「LightSpray™」がお披露目!

この「LightSpray™」、チームメンバーがグルーガンで蜘蛛の巣を作る動画を見て着想したという。特殊なフィラメント(繊維素材)をスプレー状に木型へ吹き付けて、シューズを作り上げてしまう。

緻密なロボットアームの動きによってあっという間にシューズができあがる。

ロゴやカラーリングもワンストップ!まさに魔法のようだ。

この技術により、CO2排出量は75%削減、34個のパーツはわずか7つに。

接着剤も使わず、アッパーとソールの接ぎ目もなく、200以上の工程が圧縮され、廃棄物も最小限。サステナビリティという点でも注目を集める。

吹き付けられた細い糸が宙を走り、木型に吸着。シューズのアッパーが立体的に浮かび上がっていく。機械の動きは滑らかで、まるで彫刻を削り出すかのように実体ができていく。

シューズが生まれていく工程はロボットによる即興のアートパフォーマンスのようであり、まるでランニングカルチャーの進化をタイムラプスで早送りしているような気分。

その機能性とデザインを両立した無駄のない姿は、AppleのiPhoneが登場した当時を個人的に思い出した。革新と創造性にあふれた美しさ。重量はメンズでわずか170gと超軽量。

未来の製造工程を目の当たりにすると、「シューズはここまで軽く、シームレスに作れるのか」と驚かされる。

こうして生まれた最新レーシングシューズ「Cloudboom Strike LS」。東京マラソン2025では、このシューズを履いたストゥメ・アセファ・ケベデ選手が女子2連覇を達成。技術革新とともにその性能も折り紙付きだ。

会場入り口から順を追い、「LightSpray™」を開発し、そして「Cloudboom Strike LS」の製品化に至るプロセスが、プロトタイプや映像で紹介される。

「Cloudboom Strike LS」の限定カラー「White | Raspberry」が試着・体験とともに会場で展示販売。みんな未来のランニングシューズに興味津々。

併設されたスポーツラボではトレッドミルでの試走も可能。右側の女性は本国Onチームのディーナ・ヴァイスハイトさん(Dina Weisheit・Footwear Testing Lead)

さらに、Onのランニングウェアや他の最新モデルのシューズも販売。

デザイナー・写真家の船山改(Arata Funayama)とコラボしたTシャツも展示されていた。こちらのコラボTシャツも購入することが可能だ。

プレゼンテーションが行われたコミュニティスペースでは、山梨・甲府の「AKITO COFFEE」がコーヒーメニューを提供。

スペシャルティコーヒーを片手に街の景色を眺めながら、一息つけるのも魅力だ。一見、アナログなコーヒーと高機能ランニングブランドの組み合わせにはギャップを感じるかもしれない。

しかし実際は、コーヒーの味や焙煎の分析もめちゃくちゃ科学的に行われているそう。器具やマシンも進化しており、テックとコーヒーは実は近い距離にある。

スイス・チューリヒにあるスポーツブランドと、山梨・甲府のコーヒーショップという“山”が近くにある街同士のコラボ。センスと相性の良さを感じる両者が原宿の玄関口で交わるのが面白い。

「On Labs Tokyo」は、「LightSpray™」が描き出すランニングシューズの未来と「On」のブランドの魅力を体感できるポップアップとなっていた。

会場のミニマルかつシンプルな装飾もOnのブランドらしさがあふれる。本拠地であるチューリヒのラボが原宿駅前に出現したような感覚だった。

シンプルな空間の中、抜群の存在感を放つ未来の技術、「LightSpray™」。稼働する様子が間近で見られ、しかもシューズを試せて買うこともできる9日間だけの貴重な機会を、お見逃しなく。

会期中は、書道ワークショップ、コミュニティラン、ヨガクラス、ダンサー・コレオグラファーのRIEHATAによるワークアウトも開催されるとのこと。いずれも事前申し込みが必要なので詳細情報は概要欄をチェック。
■On Labs Tokyo
開催期間:2025年9月13日(土)〜21日(日)
開催場所:ヨドバシJ6ビル
住所:東京都渋谷区神宮前6-35-6
営業時間:11:00-19:00
詳細情報:【NEWS】On Labs Tokyo
Text & Photo:Tomohisa Mochizuki
- マネージャー
- 望月トミー智久
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