人間を普遍的かつ根源的に魅了する形象
神宮前3丁目・NANZUKA UNDERGROUNDにて、長野県在住のアーティスト・中村哲也の新作個展「GO FIGURE」が開催。会期は2025年6月28日(土)〜8月2日(土)まで。初日となる6月28日(土)にはオープニングレセプジョンも開催する。
中村哲也は1968年千葉県生まれ、長野県在住のアーティスト。東京藝術大学大学院美術研究科で漆芸を学び、伝統工芸の素材や技術を再解釈しながら、視覚的な情報が生物に与え得る情報をテーマに様々な形態の彫刻作品を発表している。1998年より「スピード」と「改造」という現代社会を象徴するテーマに、ジェット機を模した彫刻作品《レプリカ》シリーズを展開。近年ではカスタムペイントカルチャーにおけるウェザリングの美学を踏襲したロボット作品や、動物や植物、あるいは怪獣といった生命体を連想させる造形作品を制作を制作するほか、本展の会場であるNANZUKA UNDERGROUNDの外壁のエイジングペイントも手がけている。
本展では、ギャラリー1階に乗り物型の大型彫刻《フレアライン》シリーズの最新作を、2階に近年中村が集中的に制作している新シリーズ《炎獣(えんじゅう)》を展示。機械工学的な美学と自然界の有機的な造形美を織り交ぜた、中村の新たな方向性を示す展覧会となっている。
展覧会タイトルの「GO FIGURE」は、“理解不能”や“不思議”を意味するスラングに由来している言葉だという。美的な対象にふれたときの恍惚感は、常にどこか謎めいているもの。「本展は、こうした感覚を出発点に、人間を普遍的かつ根源的に魅了する形象(フィギュール)を模索する試み」だと中村は語る。
一元的なエネルギーの視覚化、機能の視覚化といったテーマを超えて、その先にある未来における人工生命体の美学をも私たちに連想させる中村の作品。絶えず新しい刺激をくれる神宮前のアートギャラリー・NANZUKA UNDERGROUNDで、思考や脳みその範疇を超える“GO FIGUREなときめき”を感じてみてはいかがだろうか。
■画像クレジット
2,3.中村 哲也
カルノー人(Carnotite)
2025
Polyurethane paint on Fiber Reinforced Plastics
H50 × W25 × D26 cm
4,5.中村 哲也
ミメット人(Mimetite)
2025
Polyurethane paint on Fiber Reinforced Plastics
H41 × W21 × D16 cm
6.中村 哲也
「炎獣エルゴン(Enju Elgon)」 ドローイング
2025
Drawing on paper
H42 x W29.7 cm (excl. frame)
H57 x W44.7 cm (incl. frame)
※7月2日(水)より、「鮨さいとう はなれ NANZUKA(中目黒)」にて展示
7.中村 哲也
「次雄(Tsugio)」 ドローイング
2025
Drawing on paper
H42 x W29.7 cm (excl. frame)
H57 x W44.7 cm (incl. frame)
※7月2日(水)より、「鮨さいとう はなれ NANZUKA(中目黒)」にて展示
©Tetsuya Nakamura Courtesy of NANZUKA
■概要
中村哲也「GO FIGURE」
開催期間:2025年6月28日(土)〜8月2日(土)
場所:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区渋谷区神宮前3-30-10
時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月
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※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
神宮前・NANZUKA UNDERGROUNDで中村哲也の新作個展「GO FIGURE」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-30-10
- 電話
- 03-5422-3877
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 日、月
- 開催期間
- 2025年6月28日(土)〜8月2日(土)
