感覚と記憶に作用する「蒸留」がテーマ
神宮前2丁目のGallery 38にてドイツ・ベルリンを拠点に活動するアーティスト・白木麻子による個展「Water Mirror」が開催される。期間は2025年6月13日〜7月27日まで。
白木麻子は東京生まれ。もともと日本で彫金を学んでいた白木は、金属から木へと関心を広げ、木工を用いた彫刻作品から作家としての活動を始める。ヨーロッパや韓国での活動期間を経て、現在はベルリンと東京を拠点に活動中。オーガニックな素材に内在する偶然性や抽象性を取り入れた、静謐ながら強いメッセージ性を持つ作品が高く評価されている。
本展では、新作《Rooted in time, memories in bloom》を含む8点を展示。「蒸留」という現象をテーマを軸に、写真作品、映像作品、エッセンシャルオイルを注いだフラスコ、チェーンなどを用いて構成される。視覚障害者やコロナ感染との関わりのなかで生まれた視覚や嗅覚に対する問いや意識から、見る人の感覚と記憶に作用する作品を生み出したという。
白木麻子は作品制作を通して「他者を想像し、まだ知らぬあなたに少しでも寄り添えることを信じて、霞の向こうに歩を進めていきたい」とプレスリリースに語る。また、池尻にあるギャラリー・CAPSULEにて白木麻子による個展「I Heard You, Still」が本展と合わせて同時開催される。自然界や他者の世界と接点を持つ瞬間を表現する。
白木麻子の作品を通して「あなたを知りたい」という優しい欲求は、作品のみならず作家本人のアイデンティティも興味深く、魅力的だ。若者や外国人、多様な人が行き交う表参道・原宿という街で、あなたの身近な、でもまだ知らない“あの人”を想像しながら訪れてみてはいかがだろう。
▪️概要
白木麻子 個展「Water Mirror」
開催期間:2025年6月13日(金) - 7月27日(日)
開催場所:Gallery 38
住所:東京都渋谷区神宮前2-30-28
営業時間:12:00〜19:00
電話番号:03-6721-1505
定休日:月、火、祝日
▪️作品クレジット
画像1:
Melting color, 2023
Pigment print
89.5 ×126.5 cm
画像2:
Evergreen, 2023
Glass, essential oil, silver
>>編集部推薦!ハシゴNavi
Gallery 38から徒歩6分。NANZUKA UNDERGROUNDでは、ソウルを拠点に活動するアーティスト、Jang Koal (ジャン・コール)の新作個展「Solitary Inn」が開催中。「架空の宿」をテーマに「過去の記憶」や「内面世界」に静かに浸る、孤独的な女性が描かれる。そんなジャンコールの作品は、自身の内面を作品に反映するようになったという白木麻子の背景と共鳴するものを感じる。じっくり、安らかな気持ちで自分と他者に目を向けてみる、2人のアートをぜひハシゴしてほしい。
※敬称略
Text:Kozue Inaba
INFORMATION
神宮前・Gallery 38でベルリンを拠点に活動するアーティスト白木麻子による個展「Water Mirror」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前2-30-28
- 電話
- 03-6721-1505
- 営業時間
- 12:00〜19:00
- 定休日
- 月、火、祝日
- 開催期間
- 2025年6月13日(金) - 7月27日(日)

- オモハラリアルスタッフ
OMOHARAREAL編集室
