“韓紙(ハンジ)”に重ねて描く「孤独」
神宮前3丁目・NANZUKA UNDERGROUNDにてソウルを拠点に活動するアーティスト、Jang Koal (ジャン・コール)の新作個展「Solitary Inn」が開催される。ジャン・コールはこれまで同ギャラリーでのグループ展や、現・鮨さいとう はなれ NANZUKA(中目黒)での個展に参加。今回初めてNANZUKAギャラリーにおけるメインギャラリーでの個展となる。期間は2025年5月16日(金)~6月21日(土)まで。
ジャン・コールは、楮(こうぞ)や桑といった植物から作られる韓国の伝統的な「韓紙(ハンジ)」に描かれる現代的な女性の肖像で知られる、ソウルを拠点に活動するアーティスト。ハンジに何度も色を重ね、鮮やかに伝統と現代性の入り混じる作品世界を創りあげる。
「Solitary Inn」と題された本展は、「架空の宿」がテーマとなっており、「過去の記憶」や「内面世界」に静かに浸る、孤独と安らぎが共存する空間にとどまる女性が描かれる。車の後部座席、木漏れ日、水槽といった、闇と神秘、恐れ、そしてひそやかなときめきに満ちた「部屋」を舞台に新作ペインティング15点が展示され、初日の5月16日(金)はアーティストを囲んだレセプションが開催される。
訪れる人は、「Solitary Inn」の部屋を巡りながら、過去の記憶に触れたり、あるいはまだ出会ったことのない感情にそっと触れるだろう。“ここは、とどまる場所であり、通りすぎる場所でもある。まるで、人生のように” とジャンコールはプレスリリースに語る。
作品に描かれるのは、架空の部屋に架空の女性という曖昧で捉えがたい孤独の存在。ハンジに何度も色を重ねて、陰鬱な「孤独」の世界を執拗なほど濃密かつ鮮やかに描くコントラストがなんとも魅力的だ。表参道・原宿という多様な文化と人が集う煌びやかな街で、自分だけの中にある「孤独」と存分に対話しながら作品に没入し、向き合ってみてはいかがだろうか。
■概要
ジャン・コール「Solitary Inn」
開催期間:2025年5月16日(金)〜6月21日(土)
開催場所:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前3丁目30−10
営業時間:11:00〜19:00
電話番号:03-5422-3877
定休日:日曜、月曜
■作品クレジット
© Jang Koal Courtesy of NANZUKA
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NANZUKA UNDERGROUNDから徒歩5分。神宮前2丁目のMAHO KUBOTA GALLERYにて、京都在住のアーティスト・鮫島ゆい(さめじまゆい)による個展「反復と変容の総和」が開催中。東京で初めての本格的な個展となる本展では、大小14点ほどの新作ペインティングが展示される。「見る」行為のあり方を考え直した展示となっており、シェイプド・キャンバス(変形キャンバス)を支持体として制作された鮫島のペインティングを”見て”体感してほしい!
※敬称略
Text:Kozue Inaba
INFORMATION
NANZUKA UNDERGROUNDでソウル在住作家ジャン・コールの新作個展を開催 「架空の宿」がテーマ
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-30-10
- 電話
- 03-5422-3877
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 日曜、月曜休業
- 開催期間
- 2025年5月16日(金)〜6月21日(土)

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