神話と都市の狭間で描かれる掛け軸作品
神宮前2丁目商店街に点在する42個の路上街灯ケースギャラリー・Jinny Street Gallery(神二ストリートギャラリー)にて、イラストレーター パベル・シプキン(Pavel Sipkin)による展示 「江戸コンビニ百景」 が開催される。2025年4月11日(金)〜5月9日(土)まで。
パベル・ジプキンはロシア出身、現在は東京を拠点に活動する建築家兼コンセプチュアルアーティスト。「隈研吾建築都市設計事務所」と協力して活動し、現代のグラフィティと伝統的な日本の美学を融合させた、シュールで現実的なビジュアルの作品を生み出している。
本展では、精緻に描かれた「掛け軸作品」を通じて、江戸時代の伝統と現代の東京のエネルギーが共存する世界を表現。「コンビニ」という身近な存在を題材に、過去と現在が交差するユニークな視点を提示する。
パベル・ジプキンにより、単なる商業施設を超えて、現代社会の複雑さと人々の営みが交錯する象徴的な空間として再解釈された「コンビニ」。店内通路が人生の選択を、蛍光灯の光が都市の中の儚い輝きを象徴するかのように描かれる。
同時に、日本の古き物語に登場する妖怪やキャラクターを「現代の江戸」という仮想空間に配置し、新たな世界観を生み出すことも試みる作品群。これは、民間伝承に基づいた感情が今でも色褪せずに共鳴し続けていることを示すものとなる。
また、展示初日(4/11 金)には、ギャラリー隣接のアートスペース・バー「ニニニ・ニー」にてオープニングイベントを開催。さらに、ギャラリー公式ドリンク「Jinny Lemon Sour」が、パベル・シプキン手掛ける限定ラベル仕様で登場し、神宮前2丁目の一部飲食店にて特別販売される。
街の鼓動を捉え、古きものが新しきものに語りかけ、新しきものが古きものを響かせる瞬間を映し出す「掛け軸作品」。街灯ケースギャラリーの正面にもある見慣れたコンビニが、新たな世界の入り口かのように見えてくるかもしれない。
■概要
「江戸コンビニ百景」by Pavel Sipkin
開催期間:2025年4月11日(金)〜5月9日(土)
開催場所:Jinny Street Gallery
住所:東京都渋谷区神宮前2-31-5
営業時間:24時間鑑賞可
定休日:会期中なし
■オープニング・ナイト
開催日時:2025年4月11日(金)19:00-21:30
開催場所:カフェ「ニニニ・ニー」
住所:東京都渋谷区神宮前2-3-23
■アーティスト・ウォーク
(Pavel Sipkinと一緒に路上ギャラリーを巡る)
開催日時:2025年4月11日(金)20:30ごろから20分ほどを予定
集合場所:カフェ「ニニニ・ニー」
住所:東京都渋谷区神宮前2-3-23
>>編集部推薦!ハシゴNavi
ローカルグルメが充実している神宮前2丁目エリア。昭和41年創業・地元民から愛され続ける街中華「紫金飯店」や、銀行ATMをリノベーションしたユニークなたこ焼き屋「いちひく」などなど。アートとともに、グルメ巡りも合わせて楽しんで。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
神宮前2丁目の路上ギャラリーでパベル・シプキンによるイラスト展「江戸コンビニ百景」 が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前2-31-5
- 営業時間
- 24時間鑑賞可
- 定休日
- 会期中なし
- 開催期間
- 2025年4月11日(金)〜5月9日(土)
- 長谷川瑠美
外部ライター
