
遊び心こそクリエイティブ!CAMPERによる展覧会で、スペイン・マヨルカ島発のエッセンスを体感
スペイン・マヨルカ島発のブランド「CAMPER(カンペール)」が、50周年を記念したエキシビションを表参道・原宿エリアの2ヶ所で開催中。CAMPERは、伝統や文化を大切にしながらも、ユニークで洗練されたフットウェアを生み出してきたブランドだ。
会場はミヤシタパークのギャラリーSAIと、神宮前5丁目にあるStandByの二箇所にまたがって行われている。ファッション、アート、デザインの要素が交差するこの街において、CAMPERというブランドが見せる表現は、このエリアに通ずる感性があるように思う。レセプション前に会場へ足を運ばせてもらった。
最新のCAMPERを原宿で ユニークなブランドの感性とヒストリーを巡る旅
まずはSAIで行われている展覧会へ。吹き抜けを天井まで貫く支柱のディスプレイもCAMPER仕様。入口に着くまでに期待感を煽られる。
入口からすぐ右手、ブランドのアイコンでもあるサンダル「KOBARAH(コバラ)」を巨大化したインスタレーションがお出迎え。
そのグニャリとした形状と鮮やかな色彩は、靴であることを超えた存在感。スケールすることによって、それがオブジェのようでもあり、彫刻のようでもあり、まさにアートと日常の境界線を越えていくような感覚が面白い。
キオスク型のグッズショップには、ステッカーや雑誌など魅力的なアイテムを販売。
ビッグサイズのガチャガチャは1回1000円で専用のコインと交換してくれる。限定トートバッグなど豪華な景品をゲットしよう。
その横にはCAMPERが定期的に発行している雑誌「The Walking Society MAGAZINE(以下:TWS)」のバックナンバーが並ぶ。マヨルカ島を含めた地中海沿岸部のカルチャー、風土、アートを各号で取り上げており、そのカバーデザインも秀逸だ。
今回、展覧会に合わせた記念号を会場限定で販売。写真家であるマーティン・パー(Martin Parr)が撮り下ろしたビジュアルも展示されている。
奥の展示空間には、これまでのキャンペーンヴィジュアルをリミックスした映像が流れる。サブリミナル的に映し出せれる映像からCAMPERの創造性を感じられるはずだ。
歴代のアイコニックなアーカイブモデルを展示。年代ごとに、CAMPERと言えばコレ!というモデルを生み出しているのがすごい。
さらに建築家やデザイナーとコラボしてきたプロジェクト「CAMPER TOGETHER」の一部を展示。店舗写真も見応えがあり、かつてあった表参道のショップはやはり今見ても、美しさの中に遊び心が効いていて良い。設計はアーティストでありデザイナーのハイメ・アヨン。
ショッパーまでがアート作品のように額装され展示されているのが面白い。というか最初からそうデザインされているかのように、CAMPERというブランドの歩みを「作品」として見ることで、ファッションブランド以上の存在感とブランドのスタンスを感じ取ることができた。
ベルンハルト ウィルヘルム(Bernhard Willhelm)やゴーシャ ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)といったファッション領域から隈研吾のような建築家までコラボするラインナップにもブランドのセンスが光っている。
Together With Gosha Rubchinskiy(2014)ミニマルでカッコ良すぎる
今回の展示に合わせて販売されている、アニバーサリーコレクションも要チェック。シグネチャーカラーである“赤”をまとった靴やバッグが印象的。
展覧会の来場記念としてフォトブースも設置。インスタグラムをフォローすることで撮影することができ、プリントされた写真以外にQRコードからデータをダウンロードすることも可能だ。
もう一つの会場、StandByでは空間そのものがアートになっていた。インスタレーションは、アートユニット「DAISY BALLOON」が手がけており、繊細なバルーンが浮遊する幻想的な空間が広がっている。
昼の光の中でも美しいが、StandByスタッフのおすすめは夜の時間帯。柔らかい照明の中で浮かび上がるバルーンの陰影はまるで夢のようで、昼とはまったく別の表情を見せてくれるそうだ。
タブロイド判ポスターや特製のカップに入ったコーヒーなどを提供しており、SAIで4,500円以上買い物をすると、StandByでのコーヒーチケットをプレゼントしてくれるので併せて利用してみて。
靴という実用的なプロダクトに、遊び心や美的なアイデアを落とし込む姿勢は、表参道・原宿が持つ多面的なカルチャーと相性がいい。ちょっと奇抜で、でも妙にリアルで、どこか愛嬌がある。50年という節目を祝うこの展示は、ブランドのそんな側面をあらためて感じさせてくれる内容だった。
ミヤシタパークとキャットストリートをゆるやかに歩きながら、2つの会場をめぐる時間もまた心地いい。都市のリズムとともに、CAMPERのユーモアに触れるような感覚。展示のためだけに出かけるというより、街の空気を感じながら自然と引き寄せられてしまうような体験へ足を運んでみてほしい。
レセプションも大盛況
CAMPERファン、ファッションやアートが好きな人はもちろん、なんとなく気分を変えたい日にも、その足取りを軽くしてくれるはずだ。
StandBy インスタレーション外観
■CAMPER 50 YEARS YOUNG @SAI
開催期間:2025年4月4日(金)〜4月9日(水)
場所:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK SOUTH 3F
時間:11:00〜20:00
※会場でのお支払いは、クレジットカード、一部電子マネー決済のみ。
■CAMPER 50 YEARS YOUNG @StandBy
開催期間:2025年4月3日(木)〜4月9日(水)
場所:StandBy
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
時間:11:00〜19:00
※会場でのお支払いは、クレジットカード、一部電子マネー決済のみ。
Photo & Text:Tomohisa Mochizuki
※MAP座標はStandBy

- マネージャー
- 望月トミー智久
tommy
